一方、「ツールによる効率化」については、検証において新旧環境を比較する対象として「処理性能」と「処理の正確性」の2つを定めた。これらの検証は、前掲の目標「重要度の高い機能で障害を発生させない」を達成する上で不可欠なものだ。
同社は検討の末、「処理性能」を検証するための手段として、データベーステストツールの「Oracle Real Application Testing」を採用する。同ツールで行うのは、新環境におけるオンライン処理性能の検証である。
通常、オンライン処理の検証では、負荷テストツールと再現シナリオを用いた手法が活用されるが、この手法は極めて多くの手間がかかる上、処理再現の正確性に疑問が残る。そこで思案していたところ目に止まったのが、Oracle Real Application Testingであった。住友重機械工業のIT子会社としてグループ内外へITソリューションの提供を行い、今回のプロジェクトではアップグレード手法の立案/検証などで基盤/技術チームを支援した株式会社ライトウェルの技術推進部 技術管理グループ 主任技師の新田俊邦氏は次のように語る。
「Oracle Real Application Testingには、本番環境におけるデータベースアクセス処理を記録(キャプチャ)し、それを別の環境で完全に再現することのできるDatabase Replay機能が備わっています。この機能により、データベース層だけで正確な性能検証が行えるわけですから、これは画期的なツールだと思いました」
また、「処理の正確性」は新旧環境で同じ内容のテストを実施し、その結果を比較することによって行う。同社はこれまで、この比較作業を確認対象テーブルのデータを表計算ソフトに出力し、新旧環境の内容を突合するという方法で実施していた。
しかし、今回のように大規模なアップグレードでこの手法を用いた場合、多くの手間と時間がかかるうえ、作業担当者のオペレーションミスも危惧される。そこで効率的かつ正確なデータ検証を行うために「Oracle GoldenGate Veridata」の採用を決めた。
「Oracle GoldenGate Veridataにより、従来の表計算ソフトによる突合検証と比べて、作業効率が飛躍的に向上しました。新旧データベースの論理構造が同一であれば、自動マッピング機能によって簡単に設定が行える点も気に入っています。今回は約30ものデータベースを検証対象としたので、同ツールの費用対効果はとても大きいと考えています」(大越氏)
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年9月3日
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