コストを掛けずにDBの可用性を高めるには? Oracle Database Applianceの効果をディーコープに聞く(2/2 ページ)

» 2015年02月16日 07時00分 公開
[PR/@IT]
PR
前のページへ 1|2       

Oracle Data Guardにより、遠隔地間でリアルタイムデータ同期を実現

 新システムでは、従来6台のサーバーで運用していたデータベース基盤をOracle Database Appliance上に集約。IDCフロンティアの東京データセンター(DC)と福岡DCにOracle Database Applianceを各1台設置して冗長構成を採っている。

 プライマリサイトである東京DCのOracle Database Applianceからセカンダリサイトである福岡DCのOracle Database Applianceに対しては、Oracle Data Guardを使ってリアルタイムのデータレプリケーションを実現。また、アプリケーション層については、東京DCの物理サーバーと福岡DCのクラウドサービス上に分散配備している。一部をクラウドサービス上に配備することで、拡張性と可用性を高めているわけだ。加えて、Oracle Database Appliance上のデータについては福島DCのクラウドストレージに対して遠隔でバックアップを行っている。

 「アプリケーション層については物理環境とクラウドサービスを併用することで、システム負荷の増大に柔軟に対応できる高い拡張性を確保している点が新システムの特徴の一つです。その一方で、データベース基盤についてはセキュリティを重視し、Oracle Database Applianceをオンプレミスで使用しています。

 懸案だったBCP対応については、Oracle Data GuardによるDC間のリアルタイムレプリケーションで解決しました。この仕組みの実現には、Oracle DatabaseのREDOログを使うことでデータ転送量を低く抑えるOracle Data Guardのデータレプリケーション機能に加えて、IDCフロンティアが提供するDC間の高速な接続サービスが大きく貢献しています。東京DCと福岡DCに設置したOracle Database Applianceの間で、あたかも同じネットワークセグメント上にあるかのように透過的かつ高速なレプリケーションを実現できました。Oracle Data Guardについては、以前からBCP対応でぜひ使いたいと考えていましたが、期待通りの性能を発揮してくれており、非常に満足しています」(佐藤氏)

 冗長構成によるBCP対応に加えて、もう一つの課題であったパフォーマンス向上とシステム安定化も実現した。

 「ストレージのパフォーマンスも、従来のデータベース基盤と比べて大きく向上しました。レスポンスの遅延はなくなり、安定的にサービスを提供できています。また、Oracle Database ApplianceによってIT部門が管理すべき対象がシンプルになり、もし今後、何か問題が生じた際には、オラクルに一括してサポートを任せられるという点を非常に心強く感じています」(佐藤氏)

 Oracle Database Applianceの導入に合わせて、ディーコープはOracle Database Enterprise Editionで利用可能なオプション機能の活用も開始している。具体的には、データベース基盤のセキュリティレベルをさらに高める目的から「Oracle Advanced Security」を導入。同製品のデータ暗号化機能を用いて、Oracle Database Appliance上のデータを暗号化している。

 「データ暗号化については以前から検討していたものの、従来のデータベース基盤ではオーバーヘッドによるパフォーマンス低下が心配なため見送っていました。今回、Oracle Database Applianceの導入を機に導入しましたが、暗号化によるオーバーヘッドは特に感じていません。Oracle Advanced Securityにより、従来環境よりも高いセキュリティレベルを実現できたことも、新環境で満足していることの一つです」(佐藤氏)

 加えて、将来にわたって安定したストレージI/Oを得る目的から、Oracle Database Enterprise Editionのパーティショニング機能「Oracle Partitioning」を導入した他、データベース環境の継続的なパフォーマンス改善を図るために「Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack」「同Tuning Pack」を採用し、現場での活用を始めている。

 「Oracle Database Enterprise Editionのオプション機能も活用してパフォーマンス確保の手立てを整えたこともあり、新環境では従来の環境と比べて処理に長時間かかるSQLの発生回数が劇的に減っています」(佐藤氏)

最小構成でも十分な性能を発揮。グローバル展開にも対応可能なデータベース基盤を実現

 Oracle Database Applianceの採用により、トータルコストを大きく抑えながらBCP対応とパフォーマンス改善という積年の課題を解決したディーコープ。現在はOracle Database Applianceを最小構成で利用しているが、それでも「ユーザー数が現在の100倍になったとしても、十分に耐えられるリソースとパフォーマンスを確保できています」と佐藤氏は語る。

 なお、新システム環境でアプリケーション層の一部にクラウドを利用し、その有効性に確証を得たディーコープは、今後さらなる柔軟性と拡張性の向上を目指して、アプリケーション層の全面的なクラウドへの移行を検討している。また、現在はOracle RAC One Nodeで稼働しているデータベース環境については、より高い可用性を実現するためにOracle RAC環境への移行を考えているという。

 「Oracle Database Applianceにより、少ない初期投資、従来と変わらないランニングコストでOracle Database Enterprise Editionの先進的な機能を適宜活用していける環境を実現できたことは、今回のデータベース基盤刷新で得た大きなメリットです。将来的には、Oracle Database 12cのマルチテナント機能や『Oracle Database In-Memory』などの活用も検討し、当社の中核事業を支えるデータベース基盤の価値をさらに高めていきたいですね」(佐藤氏)

 ディーコープは購買支援サービスの海外展開も視野に入れているが、Oracle Database Applianceの導入により、グローバル展開にも十分に対応でき、事業拡大に合わせて柔軟にパフォーマンスやキャパシティの向上を図れるデータベース基盤を手に入れたのである。

オラクル公認パートナーが語る導入のツボ[ソフトバンク・テクノロジー]

プロジェクト成功の鍵は「Oracle Database Applianceの採用」「高い技術力」「お客さまとの密接な関係作り」

ソフトバンク・テクノロジー プラットフォーム&データソリューション本部 ITインフラ第1技術部 Oracleグループ 野上航氏

 本プロジェクトにおいて、当社はOracle Database Applianceの導入をはじめとするデータベース基盤の構築全般を支援させていただきました。データベース集約、BCP対応、パフォーマンス改善など、プロジェクトの目標は多岐にわたり、非常に高いレベルの知識、経験、そして困難な目標の達成に向けた強い情熱が必要とされました。

 プロジェクトを成功に導いた鍵は、大きく三つあると考えています。

 一つ目は、データベース基盤として採用したOracle Database Applianceのメリットである「構築期間の短縮」や「オラクルによるワンストップサポート」の恩恵が受けられたことです。ハードウエアとソフトウエアが最適なかたちで融合され、事前に構成済みの状態で納品されるOracle Database Applianceは、汎用サーバーを使う場合と比べてシステム構築期間の大幅短縮を実現します。これによってスケジュールに余裕が生まれ、統合プロセスの十分な確認が可能となりました。また、オラクルによるワンストップサポート体制はスムーズな問題解決の環境を提供してくれました。

 二つ目は高い技術力です。当社はORACLE MASTER Platinumを保有するエンジニアを多数擁しており、データベース関連のプロジェクトは彼らが中心となって動かします。本プロジェクトはOSやデータベースのバージョンが異なる六つの環境をOracle Database Applianceに集約し、併せてディザスタリカバリサイトを構築するという難易度の高いものでしたが、当社エンジニアらが数々の大規模プロジェクトの遂行で蓄積してきたノウハウと技術力を駆使して、無事にカットオーバーを迎えることができました。

 三つ目は、お客さまとの密接な関係作りです。本プロジェクトは検討事項が多岐にわたり、乗り越えるべき壁がいくつもありました。お客さまと腹を割ってお話しすることで、課題やゴールに対する共通認識を明確に持つことができたと思います。

 最後に、プロジェクト遂行におけるお客さまの多大なご協力に心より感謝申し上げます。当社は今後も、お客さまのビジネスを一層加速していくためのサービスの提供に努めてまいります。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月15日

関連情報

驚異的なパフォーマンス、優れた運用効率、最高の可用性とセキュリティ、クラウド対応を実現するOracle Exadataとの統合、クラウド、可用性や運用管理など、次世代データベース基盤構築のために参考になる必見資料をまとめてご紹介いたします。

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。