大和ハウス工業はグループ全体のDB基盤統合と高速化をどう実現したかCAD設計データも、部品情報も、会計処理も一元化・高速化(1/2 ページ)

大和ハウス工業はグループ全社で利用する基幹業務システムの統合データベース基盤として「Oracle Exadata」を導入し、バッチ処理を最大241倍高速化。その高い性能とコスト効果を確信すると、さらにSAP ERPのバックエンドデータベースにも採用するなど活用の輪を広げてきた。[プライベートクラウド/データベース統合][パフォーマンス改善][運用管理効率化][Engineered System]

» 2015年05月28日 07時00分 公開
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サイジングや運用保守の課題を解決すべく、早期よりクラウド化を検討

大和ハウス工業 執行役員 情報システム部長の加藤恭滋氏

 戸建住宅の建築/販売をはじめとするコア事業、健康余暇や都市型ホテル、環境エネルギーなどに取り組む多角化事業、そしてロボットや農業といった新規事業まで、多様なビジネスを展開している大和ハウスグループ。2015年4月に創業60周年を迎えた同社は、「連結売上高2兆8000億円、純利益1000億円」という第4次中期経営計画の目標を1年前倒しで達成し、今年度は「連結売上高3兆円、純利益1250億円」を目指して、さらなるビジネスの拡大に精力的に取り組んでいる。

 このように拡大し続けるビジネスを支えるために、大和ハウスグループではIT環境に関しても先進的な取り組みを進めてきた。その中でも特に注目すべきが「クラウドの全面的な採用」である。日本オラクルが2015年4月に開催した「Oracle CloudWorld Tokyo 2015」では、大和ハウスグループの中核企業である大和ハウス工業でグループ全社のクラウド活用をリードする加藤恭滋氏(執行役員 情報システム部長)が講演。そのクラウド活用の軌跡と、同社が統合データベース基盤として採用した「Oracle Exadata」の活用状況、および導入効果を紹介した。

 加藤氏によれば、大和ハウス工業では「クラウドコンピューティング」という言葉がまだ広く認知されていなかった2006年ごろより、「クラウド的なサービスを利用したIT環境の構築」を検討していた。

 「オンプレミスのIT環境では、保守期限が切れると新しいシステムを構築しなければならず、それには大きな投資が必要になります。『まだ使えるのになぜ?』という疑問をずっと抱いていました」(加藤氏)

 サイジング面の課題も大きかったようだ。新規にシステムを構築する場合、通常は4、5年先を見越してハードウエアの調達やソフトウエアの設計を行うが、現実には将来のデータ量やトランザクション量を正確に見積もるのは難しい。「特に容量不足などの問題が生じないよう、必要なリソースを“保守的”に見積もると、過剰投資になる可能性があります」と加藤氏はサイジングの難しさを打ち明ける。

 IT環境の規模が拡大すれば、運用保守の負担も大きくなる。この点についても強い問題意識があった。

 「かつて、情報システム部の各担当者は、盆暮れなど関係なく、むしろ盆暮れになると猛烈に働いているような状況でした。たとえ夜中であっても、トラブルの発生を告げるメールが飛んでくれば駆け付けなければいけません。『いい加減、こういう無理は止めたい』というのが、2006年当時の心境でした」(加藤氏)

基幹業務を支えるプライベートクラウド基盤としてOracle Exadataを導入

 そんな同社のIT環境/運用に転機が訪れたのは2008年のことだ。全社員で利用しているファイル共有サーバーを更改する際、数社のベンダーに声を掛けたところ、1社がプライベートクラウド環境として提供することを提案したのだ。これが大和ハウス工業におけるクラウド推進のスタート地点となった。

 大和ハウスグループでは、その後もさまざまなシステムのクラウド化を進める。翌2009年にはWebサイトを運用するサーバーがプライベートクラウド化され、セキュリティを確保しつつ、グループ全体のWebサイトがその上で運用されるようになる。また、この年にはメールシステムをSaaSに移行するが、その背景には多様化する働き方への対応があったと加藤氏は振り返る。

 「当時、『海外出張など外出先でメールの確認をしたい』といったニーズも高まっていました。もちろん、社内からも快適に見られなければなりません。セキュリティを担保しつつ、そうした要求に対応するために、クラウドサービスとして提供されているメール環境を利用し、メールボックスだけは社内のプライベートクラウド環境に置くという環境を構築したのです」(加藤氏)

 また、2012年には大和ハウスグループにとっての中核システムとも言える「ものづくりシステム」がプライベートクラウド化される。その際、データベース基盤として採用されたのがOracle Exadataである。

 ものづくりシステムとは、CADで作成した設計書や多種多様な部材の管理、構造計算、調達などをサポートするためのシステムだ。同システムのプライベートクラウド化は複数のサブシステムに切り分け、それぞれを異なるベンダーが担当するマルチベンダー体制で進められた。このとき、サブシステムごとにサーバーを構築するのは無駄が大きい。そこで、Oracle Exadataをマルチベンダー環境における統合データベース基盤として利用したわけである。

 「ものづくりシステムは、2012年12月に稼働を開始しました。このシステムで管理している部材の数は2000万以上に上り、その情報を格納するデータベース基盤には非常に大きな負荷が掛かります。それが問題なく円滑に動作しているので、Oracle Exadataには相当なパワーがあると感じました」(加藤氏)

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年6月27日

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