松岡氏によれば、攻撃に対する守りの基本は「縦深(多層)防御」であり、縦方向に何層もの防御線を張るのが「城郭/砦における防御の鉄則」だという。
この考え方はサイバー攻撃についても同様に当てはまり、実際に米国では「サイバー空間における縦深防御能力の向上」に向け、議会、国防総省、そしてNSAが2002年から具体的な取り組みを始動させている。
このサイバー攻撃に対する縦深防御の考え方を図式化すると、下図のようになる。
縦深防御のレイヤーは大きく「データ」「アプリケーション」「ホスト」「ネットワーク」「(内外ネットワークの)境界」、さらには人の管理/統制に絡む「セキュリティポリシー/運用」に分かれ、各層を縦断する形で「ID&アクセス管理」が存在する。松岡氏は、こうした階層構造を示した上で、「縦深防御では、人、技術、オペレーション(業務プロセス)の三つに対して、さまざまなアプローチを取る必要があります」と説明する。
ちなみに、縦深防御とは対極を成す概念に「境界防御(拠点防御)」がある。これは「ウイルスチェック」や「ファイアウォール」「ID&システムガバナンス」などで構成されたセキュリティアプローチを指すが、松岡氏によれば、このタイプの防御は、標的型のサイバー攻撃や内部不正に対してはほとんど無力なのだという。
さて、前述したセキュリティインシデントを経験した米軍では、2013年から縦深防御のアプローチを「データ中心型」へとシフトさせ始めたようだ。松岡氏によると、実際、米統合参謀本部が公開する白書の中でも、サイバー防衛の考え方をネットワーク/システム中心型からデータ中心型へと進化させることが明記されているという。
このアプローチを縦深防御のレイヤーに当てはめて考えると、下図のようになる。
図にある通り、従来型(システム中心型)の縦深防御は「ロール」ベースのセキュリティコントロールを基本とするが、データ中心型の防御では「ルール(属性)」ベースでセキュリティコントロールが行われる。
また、データの状態、すなわち「格納された(data at rest)状態」か、「伝送中(data in transit)」か、それとも「(ユーザーによる)操作中(data in use)」かといった状態に応じて、次に挙げるようなソリューションを適材適所で活用していくことが求められる。
なお、オラクルでは、こうしたデータ中心の縦深/多層防御で必要とされる機能をカバーした各種データベースセキュリティ製品を既に提供している。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年7月14日
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