企業に日々蓄積されていく大量かつ多様なデータ。それらを業務の中でスピーディーに分析/活用し、ビジネス上の成果を得ていくためには、従来と異なるアプローチが必要だ。その考えの下、アナリティクスを現場の武器に変えるべくオラクルが提供しているのが各種のビッグデータアナリティクスソリューションである。[ビッグデータ][Big Data]
「アナリティクスのステージはいま、“Analytics 3.0”のフェーズに突入しつつある」――アナリティクスの権威として知られる米バブソン大学のトム・ダベンポート博士は2013年、米国の経営学に関する専門誌『ハーバード・ビジネス・レビュー(Harvard Business Review)』に寄稿した論文の中でそう宣言した。
博士によれば、いわゆるビジネスインテリジェンス(BI)のテクノロジによって過去の動きを可視化し、ビジネス上の意思決定に役立てていた時代が「Analytics 1.0」、一部の先駆的な企業と、そこに所属するデータ分析の専門家がHadoopなどで分析したデータをビジネスに活用し始めた時代が「Analytics 2.0」に位置付けられる。
それに続く「Analytics 3.0」の時代には、日常業務の中にアナリティクスが自然な形で取り込まれ、さまざまなビジネス課題を解決する“処方的”なソリューション、つまり“処方的アナリティクス”が主流を成し、企業の収益向上に直接的に貢献するようになるのだという。
「実はダベンポート博士が予期した通りのことが、オラクルのビッグデータアナリティクスソリューションをご利用いただいているお客さまの間で実践され始めているのです」と日本オラクルでビッグデータアナリティクスソリューションの提供に携わる大橋雅人氏(データベース事業統括 製品戦略統括本部 プロダクトマーケティング本部 Cloud & Big Data推進部 担当マネジャー)は明かす。
例えば、イタリアのバス運行会社コトラル(COTRAL)は、オラクルのビッグデータアナリティクスソリューションを用いて、IoT(Internet of Things)デバイスで収集したバス車両の位置情報をリアルタイムに分析し、顧客体験の向上と売上拡大に役立てている。
コトラルでは、各車両に搭載したGPS/センサーからバスの運行状況に関するデータをリアルタイムに収集。それを天候や路線周辺イベントなどの情報と組み合わせて、バスの遅延要因の分析や車両稼働率の向上、乗客に対するバス運行状況のリアルタイム掲示などに生かしている。また、モバイル端末を活用して利用者のGPS情報から目的地までの運賃を算出し、モバイル端末上で乗車券の販売を行うといったサービスも展開している。
同社の取り組みで興味深い点は、収集した各種データに基づいて道路の渋滞といったバス運行の遅延要因を予測し、ドライバーがリアルタイムに運行ルートの最適化を行っていることだ。もちろん、ドライバー自身がデータ分析作業を実施しているわけではなく、そのことを意識してもいない。背後で稼働するビッグデータアナリティクスシステムが適宜、ドライバーに走るべきルートを伝えているのである。日常業務の中に自然な形でアナリティクスを組み込み、熟練者の肌感覚だけで判断するのではなく、定量的な判断に基づいて取るべき行動を予測する──コトラルの取り組みは、まさにこれからのビジネスで求められている処方的アナリティクスの実践だと言えよう。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年8月30日
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