Oracle Database 12cによるプライベートクラウド環境の構築に際して課題となることの1つが、必要な「可用性」をいかにして確保するかということだ。オラクルは、サービスレベル要件に応じてデータベースシステムの可用性を確保するためのブループリントとして「Oracle Maximum Availability Architecture」を提唱している。[プライベートクラウド/データベース統合][高可用性/災害対策][Oracle Database 12c]
オラクルは近年、システムの導入/運用にかかるコストを削減し、クラウドも活用した近代的かつ効率的なデータベース環境に移行したいという多くの企業の要求に応えて、Oracle Databaseの機能強化に取り組んできた。その成果は現在、Oracle Database 12cをはじめとする最新のデータベースソリューション群として提供されている。
本サイト掲載企画『データベース運用管理をクラウド化する方法』シリーズでも紹介しているように、Oracle Database 12cでは新たに導入されたマルチテナントアーキテクチャを利用することで、多数のデータベースを集約/統合したプライベートクラウド環境を構築し、企業のIT予算を圧迫しているシステムの導入/運用コストを大きく減らすことができる。
また、それだけでなく、プライベートクラウド環境で大きな課題となる可用性、運用管理性、パフォーマンスなどの要件についても、オラクル独自のさまざまなソリューションを利用することができる。本企画では、Oracle Databaseによるプライベートクラウド環境の価値をさらに高めるそれらのソリューションを、次の3つの観点から紹介する。
初回となる今回は、統合データベース環境の可用性を確保するためのテクノロジーとして「Oracle Maximum Availability Architecture(MAA)」に焦点を当ててみたい。
ITインフラの要件にはさまざまなものがあるが、その中でも特に重要視される1つが「可用性」である。いくら高性能で拡張性が高くても、わずかな障害ですぐにダウンしてしまうようなインフラでは意味がないからだ。
それでは、具体的にどのような障害に備えるべきなのだろうか。2012年にオラクル製品のユーザーグループであるIOUG(Independent Oracle User Group)がデータベースの可用性について会員にアンケート調査を行った結果によれば、オペレーションミスやサーバ障害による計画外停止を経験したことのあるユーザーの割合は45%と高く、それにストレージ障害やアプリケーションエラーが続く結果となった。また、約10%のユーザーが自然災害などによるシステム停止を経験している。
もちろん、改修やサーバ/ストレージのメンテナンス、データベースの運用作業などのために、システムを計画的に停止させる場合もあるだろう。可用性に関する要件を検討する際には、計画外停止だけでなく計画停止についても考慮し、サーバの停止時間を最短に抑えていく必要がある。
こうしたITインフラに求められる可用性を的確に確保するためのベストプラクティスとしてオラクルが提唱しているのがOracle MAAだ。これは高可用性を実現するためのベストプラクティスをまとめたブループリントであり、特定の製品を指すものではない。目的としているのは、複雑な仕組みを排除して最適な高可用性アーキテクチャを設計することと、計画停止の最短化および計画外停止の回避である。企業がデータベースシステムを構築する際には、Oracle MAAをベースにして検討することで、障害や災害に強いシステムを実現することができる。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年2月17日
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