IoTを活用した古河電工の見守りサービス「CATI」が少人数/短期間で実現できた理由がコレ! 肝となるデータ分析環境はOracle BI CloudIoTは「データを集めて可視化/分析する」までをワンセットで考える(1/3 ページ)

国内企業においてIoTへの取り組みが加速している。古河電気工業は先頃、対話型ロボットとパブリッククラウドを活用したケーブルテレビ事業者向けシステム「CATI」のデモンストレーションを披露した。ロボットからクラウドに送られる各種データの分析基盤には「Oracle BI Cloud Service」を利用している。[ビッグデータ][Big Data]

» 2017年01月17日 07時00分 公開
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Oracle BI Cloudを活用し、国内製造業の老舗がIoTプロトタイプを開発

 もはやIoT(Internet of Things)はバズワードとしてもてはやされる時期を過ぎ、多くの企業が具体的な取り組みを加速させる段階に入ったようだ。誤解されがちだが、IoTとは、単に「あらゆるモノがインターネットにつながっている」という状態を指す言葉ではない。モノ、すなわちネットワークの先端に接続された各種のデバイスから収集したデータを分析/活用し、新たなサービスやビジネスモデルを構築することまでを含む概念である。IoTが産業界から注目される理由は、これがあらゆる業種、業界、ビジネスに変革を起こし、企業のさらなる成長を促す起爆剤となることを期待されているからに他ならない。

 1884年に創業し、電線や光ファイバーを製造する国内有数の非鉄金属メーカーとして知られる古河電気工業(以下、古河電工)も、IoTを活用した新たなサービスモデルの提案を積極的に行っている企業の1つだ。ケーブルテレビ事業者向けに専用機器やソフトウェアを広く提供している同社は、各事業者がケーブルテレビ利用者に提供するサービスの品質を高めるため、「CATI」と呼ぶコミュニケーションロボットを端末にしたクラウドサービスの提案を開始。2016年7月に都内で開催された「ケーブル技術ショー」において、そのプロトタイプを展示した。

 このプロトタイプの開発は、オラクルのパートナーであり、製造業向けERPの導入で豊富な実績を持つイデア・コンサルティングが担当し、そのバックエンドにはオラクルのPaaSである「Oracle Cloud Platform」、及び同クラウドで提供されるBI(Business Intelligence)サービス「Oracle Business Intelligence Cloud Service(以下、Oracle BI Cloud Service)」などが活用された。

 それでは、IoTとクラウドを活用したCATIとは、具体的にどのようなサービスなのか? また、IoTとクラウドによる新たなサービスの展開にあたり、Oracle BI Cloud Serviceなどを用いるメリットはどこにあるのか? イデア・コンサルティング 取締役 システム・ソリューション部長の掛江正昭氏と、システム・ソリューション部BIソリューショングループ グループ長の矢原荘悟氏に聞いた。

ケーブルテレビ事業者のビジネスを変革する「CATI」 デモシステムをわずか1カ月で開発

photo 古河電工CATIの端末となる手のひらサイズのコミュニケーションロボット

 古河電工のCATIは、ケーブルテレビ事業者が契約世帯に設置するロボットを端末としてユーザーにさまざまなサービスを提供するとともに、ロボットを介して各種の情報を収集することができるシステムである。端末となるロボットには赤外線リモコン機能が搭載されており、ケーブルテレビのセットトップボックスをはじめ、テレビ、照明、エアコンといったさまざまな家電を制御することが可能だ。

 ロボットには、その他にスピーカーやマイク、カメラ、温度計など、多様なデバイスが搭載されている。ユーザーは会話によるロボットとの双方向コミュニケーションにより、家電を操作したり、天気予報やお勧めのテレビ番組の紹介といった情報の提供を受けたりすることができる。独居高齢者の「見守りサービス」などへの応用も可能だという。

 ユーザーに高い利便性を提供するだけではない。CATIでは、ユーザーごとのテレビの視聴時間やチャンネル別の視聴傾向などの情報をケーブルテレビ事業者が収集して分析することにより、ユーザーの嗜好をきめ細かく把握し、より最適な番組や情報、サービスを提供できる。ユーザーごとの詳細な嗜好や動向をリアルタイムに知り、マーケティングに生かせるという大きなメリットがあるのだ。また、CATIは先に挙げた「見守りサービス」など、インターネットを生かした新たなサービスを提供することで、ケーブルテレビ事業者の競争力強化にもつなげられる発展性の高いシステムとなっている。

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photo イデア・コンサルティングシステム・ソリューション部 BIソリューショングループ グループ長の矢原荘悟氏

 今回、イデア・コンサルティングが開発を支援した展示会向けのデモシステムは、端末ロボットがユーザーとの会話などを通して取得したデータをネットワークを介して収集。バックエンドのシステムに蓄積し、ケーブルテレビ事業者のマーケティング担当者などのニーズに応じて可視化するというものだ。同社では、このシステムを短期間で実現するためのバックエンドとして、Oracle BI Cloud ServiceなどOracle Cloud Platformのクラウドサービスをフル活用した。

 「展示会向けのデモシステムを作るための開発期間は非常に限られていました。要件定義に1週間、開発期間は約2週間、最終調整に1週間と、実質約1カ月の間で全てを行う必要があったのです。短期間でこのプロジェクトを完遂するにあたり、インフラについてはスピード面でクラウドを活用することが必須だと考えました。

 また、CATIに限らず、IoTシステムではデバイスから取得したデータを可視化/分析する仕組みを用意し、業務担当者がデータを活用しやすい環境を作ることが大きな鍵となります。これについては、当社がオラクル製品を用いた業務システム構築を得意としていることもあり、オンプレミスのOracle BIと同じ仕組みをすぐに使えて、データ分析作業などの生産性が高いOracle BI Cloud Serviceの採用を決めました」(矢原氏)

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年2月16日

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