Oracle Database 12c R2が“クラウドファースト”で登場! インメモリ、マルチテナント機能がさらに強化オラクルの“ハイブリッドクラウド”が向かう先は?(1/4 ページ)

“クラウドファースト”の公約通り、Oracle Database 12c R2がOracle Cloudで先行リリースされた。同バージョンの登場により、オラクルのハイブリッドクラウド環境はどのように進化したのか? 製品開発を統括する米オラクルのアンディ・メンデルソン氏が語った。[プライベートクラウド/データベース統合][パブリッククラウド][Oracle Cloud][Oracle Database 12c]

» 2017年02月20日 07時00分 公開
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“クラウドファースト”で開発が進むOracle Database 12c R2の進化

photo 米オラクル データベースサーバー技術担当 エグゼクティブ・バイスプレジデントのアンディ・メンデルソン氏

 「クラウド時代のデータベースマネジメントはどうあるべきか」──。この問いに対する解としてオラクルが推進しているのが、Oracle Database 12cとOracle Cloud、そしてOracle ExadataなどのEngineered Systemsから成る“ハイブリッドクラウド”なデータベース環境である。その最新の動向について、日本オラクルが2016年10月に開催した「Oracle Cloud Days Tokyo 2016」で実施された米オラクル データベースサーバ技術担当 エグゼクティブ・バイスプレジデントのアンディ・メンデルソン氏による講演の内容を基に紹介する。

 オラクルのデータベース製品/サービスの開発を統括するメンデルソン氏は、Oracle Cloud Days Tokyo 2016の会期2日目(10月26日)に行われた「オラクル・インフラストラクチャ」基調講演に登壇。「Transforming Data Management」と題して、最新の「Oracle Database 12c Release 2(12c R2)」で導入される新機能や、それが企業のデータマネジメントにもたらす変化について解説した。

 メンデルソン氏は、まず“クラウドファースト”を掲げるOracle Database 12c R2のリリースがOracle Cloud(Oracle Database Cloud Service)で先行して行われたことを報告。今後、他のサービスにも順次導入された後、オンプレミス向けの提供が開始されるという。

 また、メンデルソン氏はオラクルが過去30年以上にわたるテクノロジーの変遷の中で「顧客の投資を保護」を最優先にしてきたとあらためて強調。その上で、現在データマネジメントの領域で進行している変化として次の3つを挙げ、Oracle Databaseではこれらの変化にどう対応していこうとしているのかを順に説明した。

  • ディスクベースのデータベースからインメモリデータベースへの移行
  • データウェアハウス(DWH)からビッグデータへの移行
  • オンプレミスからクラウド上のデータベースへの移行

「Oracle Database In-Memory」の機能が強化され、Active Data Guardとの併用が可能に

 従来のHDDに代えて、より高速なアクセスが可能な物理メモリ上にデータベースを保持するインメモリ技術は今日、データマネジメントの領域に大きな変革をもたらしつつある。

 Oracle Databaseでは、2013年にリリースされた12c R1において、OLTP(Online Transaction Processing:オンライントランザクション処理)に適したロー(行)フォーマットと、アナリティクス処理に適したカラム(列)フォーマットの双方をメモリ上に展開し、アプリケーション側でデータベースフォーマットの違いを意識することなくパフォーマンスを大幅に向上できる「Oracle Database In-Memory」オプションの提供が開始された。

 12c R2では、このOracle Database In-Memoryを「Active Data Guard」によって構築されたスタンバイサイト上でも利用することが可能となった。これにより、本番サイトのデータベースにパフォーマンス上の悪影響を与えずに、スタンバイサイト側でほぼリアルタイムに分析処理が行えるようになる。つまり、スタンバイサイトの活用効率をより高められるというわけだ。

Oracle Cloudにて、Active Data Guardスタンバイ上でIn-Memoryが稼働する12c R2

 Oracle Database In-Memory自体のパフォーマンスも向上しており、JOIN処理で最大3倍、複合的なクエリの処理で最大10倍、JSON(JavaScript Object Notation)クエリに関しては最大60倍の高速化が見込めるという。

 2017年2月現在、世界中の企業でOracle Database In-Memoryの採用が進んでおり、導入した企業からは「パフォーマンスの高さ」や「データベース容量の削減」などの面で高い評価を得ている。メンデルソン氏は4社の導入事例を挙げ、そのうち3社がSAPユーザーであることに触れた上で、「Oracle Database In-Memoryを使えば、現在運用しているアプリケーションには手を加えることなくインメモリ処理の恩恵が得られることを、これらの事例が実証しています」と同オプションの優位性を強調した。

Oracle Databaseの「In-Memory」機能で効果を得た導入事例(AT&T、Villeroy&Boch、BOSCH、Die Mobiliar)

 また、Oracle Databaseはソフトウェア面のみならず、ハードウェア面でも強化が進められており、今後、大容量化によって急速に普及すると予測される「NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)」への対応やEngineered Systemsへの導入なども進められているという。

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年3月26日

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