クラウドとIoT、機械学習を活用したモニタリング/フィードバックの仕組みで糖尿病患者の自己管理を支援Oracle Cloudが可能にした短期間でのシステム提供(1/3 ページ)

クラウドやIoT、機械学習などの先進技術をヘルスケア分野に応用する動きが活発化している。その1つが、あいち健康の森健康科学総合センターが中心となって進める、患者の自己管理の支援を通して生活習慣病の改善を目指す取り組みだ。[パブリッククラウド][Oracle Cloud]

» 2017年03月06日 07時00分 公開
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先進のITを活用し、糖尿病患者が自己管理を継続できる仕組み作り

photo あいち健康の森健康科学総合センター主任専門員の加藤綾子氏

 クラウドやIoT(Internet of Things)、機械学習といった先端テクノロジーを、社会が抱えるさまざまな課題の解決に役立てようという動きが進んでいる。その1つが、経済産業省の実証事業として、あいち健康の森健康科学総合センターが中心となって推進する「糖尿病患者への行動変容支援プロジェクト」だ。2016年10月に開催された「Oracle Cloud Days Tokyo 2016」において同センター主任専門員の加藤綾子氏が行った講演『クラウドで実現! IoT機器と機械学習による糖尿病患者への行動変容支援』の内容を基に、プロジェクトの概要と、それを支えているクラウドやIoT、機械学習などオラクルのテクノロジー/サービスを紹介する。

 今日、多くの先進国が少子高齢化の問題を抱えている。特に我が国では、この問題が早い段階で深刻化すると見られている。内閣府「平成28年版高齢社会白書」によれば、「2025年には全人口に占める65歳以上の高齢者の割合が30%を超え、団塊世代の多くが75歳以上の後期高齢者となる」とされている。

 これに伴い、今後わずか10年ほどの間に、高齢化に起因する医療や介護といった社会負担が大幅に増加すると予想される。そこで2017年現在、この問題への対策の一環として、国や地方自治体などの各機関において、生活習慣病予防などの取り組みを通じて国民の健康を維持し、重篤な病状に至る人を減らしていこうという活動が進められている。これは将来的な医療費や介護費などの社会的な負担を軽減するだけでなく、国民個人のQOL(Quality of Life:生活の質)を高めていく上でも有効な取り組みになると考えられている。

 そうした活動の1つとして進められているのが、「糖尿病患者への行動変容支援プロジェクト(正式事業名称:企業保険者等が有する個人の健康・医療情報を活用した行動変容事業)」だ。このプロジェクトでは、あいち健康の森健康科学総合センター(愛称:あいち健康プラザ)が中心となり、名古屋大学医学部糖尿病/内分泌内科などと「チーム七福神」コンソーシアムを結成。名古屋大学医学部付属病院を含む東海地区の21医療機関ならびに健保組合や健診/保健指導機関の協力の下、IoT機器とクラウドを活用した糖尿病患者の生活習慣改善支援に取り組んでいる。

 1998年に開設されたあいち健康の森健康科学総合センターは、地域と連携した“健康づくり”の拠点として、各種プログラムの研究開発、保健指導者の育成、地域における支援ネットワーク作りのサポートなど、さまざまな事業を行っている。また、厚生労働科学研究や県のモデル事業の推進を通じて、その成果を政策提言や国際交流支援に役立てるなど幅広い役割を担っている。

 来館者に対する生活習慣の改善支援も、同センターの重要な役割の1つだ。生活習慣が発症に深くかかわっているとされる生活習慣病に分類される疾患には高血圧症や脂質異常症などがあるが、中でも「糖尿病」は、神経障害や網膜症、腎機能障害といった重篤な合併症を招く恐れがあることで知られる。その一方で、バランスの取れた食生活や適度な運動による減量、あるいは薬品による血糖値コントロールが重篤な症状の予防に効果があるともされている。

「糖尿病の目標設定」の考え方

 糖尿病の罹患率は年齢が上がるとともに上昇し、2014年に行われた調査により、60代以上の男女のうち約4人に1人が糖尿病に罹患していると考えられるという(*1)。一方で、糖尿病が強く疑われるにもかかわらず、治療を行っていない未治療者率の割合も高く、全世代の合計で約3〜4割に達すると報告されている。

*1 厚生労働省「平成26年 国民健康・栄養調査」より



 「生活習慣を改善して血糖値をコントロールすることで、糖尿病にまつわる症状の重篤化は避けられます。例えば、特定検診データの分析結果から、肥満の状態にある人が3〜5%ほど減量するだけで、検査数値の改善に効果があることが分かっています。これに関する課題は、糖尿病患者が血糖値をコントロールするための生活習慣の改善を継続的に支援していくところにあると考えられます」(加藤氏)

糖尿病が強く疑われるにもかかわらず、治療を行っていない未治療者率の割合も高い
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年4月5日

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