村田製作所は、汎用機で運用していたSCMのデータベース基盤を「Oracle Exadata」に移行。事業拡大に伴い、窮迫していた夜間バッチ処理の性能を大幅に改善するとともに、データベースの安定稼働を実現した。[プライベートクラウド/データベース統合][Engineered System]
セラミックコンデンサーや各種電子部品の領域で高い世界シェアを誇る村田製作所は先頃、同社の生産/販売活動を支えるSCMの基幹データベース基盤で利用していた汎用機を「Oracle Exadata」にリプレースし、バッチ処理時間の大幅短縮やデータベース基盤の安定稼働を実現した。同社はなぜOracle Exadataを選んだのか? 移行プロジェクトを推進した担当者らに聞いた。
“Innovator in Electronics”の理念の下、新たな市場や新商品、事業領域の開拓に旺盛に取り組み、2015年には創業以来初の売上高1兆円を達成するなど、ビジネスのさらなる拡大に挑み続ける村田製作所。原材料から製品までの一貫生産体制により独自の製品を数多く生み出してきた同社は、特にチップ積層セラミックコンデンサーやセラミックフィルター、セラミック発振子など小型部品の分野で強みを持つ。また、売上高の約9割を海外が占めるというグローバル企業でもあり、アジアから米州、欧州の各地に拠点を構え、世界中の顧客からの要望に応え続けている。
そんな村田製作所では、製造/販売活動の基盤となるSCMとして自社で開発したシステムを利用し、インフラには汎用機を利用してきた。このシステム環境で近年、特に課題となっていたのがパフォーマンスだったと話すのは、同社 情報システム統括部 情報技術企画部 部長の名和政邦氏だ。
「お客さまからの厳しいコストダウン要求やジャストインタイムな小口注文にお応えしながら事業を拡大するのに伴って受注量も急増し、高性能な汎用機を使っても、注文を処理する夜間バッチの実行に必要な時間を意図通りに短縮できないという悩みを抱えていました。また、物流の都合から夜間バッチを実施する中で各拠点に生産管理データを送信する必要なども生じ、汎用機による従来のデータベース基盤では処理性能の限界が見え始めていました」(名和氏)
こうした課題を解決するために、同社はSCMのデータベース基盤としてOracle Exadataの導入を検討することとなる。
実は村田製作所では、汎用機からの移行先として以前からOracle Exadataに注目しており、2013年11月に開発環境としてOracle Exadata X3を導入していた。Oracle Exadataの性能や運用管理性の高さはX3で既に実感しており、データベース基盤の移行に際して他のサーバ製品と比較するまでもなかったと名和氏は打ち明ける。
「リプレースの対象となったデータベース基盤は当社の基幹業務を支えるものであり、高い信頼性が求められます。そのため、Oracle Databaseを使うことは最初から決めていました。これを高いパフォーマンスで動作させることを考えたとき、汎用機を超える性能が得られるプラットフォームはオラクル自身が開発するOracle Exadataのほかにありません。従って、他社のサーバ製品との比較を行うことは当初から考えませんでした」(名和氏)
こうした判断から、Oracle Exadataの導入を前提とした移行プロジェクトが動き出す。この中で名和氏らがまず行ったのは、Oracle Exadataの性能を検証するPoC(Proof of Concept:導入前実機検証)と、既にOracle Exadataを活用しているユーザー企業へのヒアリングである。
村田製作所では、過去のハードウェア選定の経験から、自社の要件に最適化した性能検証のプロセスを確立していた。そのプロセスに基づき、2014年6月から2015年2月までの期間で日本オラクルの支援を受けながら入念にPoCを実施。もちろん、Oracle Exadataが備えるパフォーマンスは十分に満足できるものだった。また、ユーザー企業数社へのヒアリングを実施したところ、各社の評価は上々だったという。こうした結果を受け、村田製作所では2015年3月、正式に採用を決める。
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年7月11日
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