ネットワークの高度化による収益拡大とビジネス革新への道

AI搭載デバイスの普及などにより、モバイルネットワークへのニーズは劇的に変化し、従来の設計思想では対応し切れない状況が生まれつつある。こうした変化に対応するために、通信インフラベンダー各社は次世代技術の開発を加速させている。ノキアのフェロー／特別研究員を務めるハリー・ホルマ（Harri Holma）氏が、2025年10月開催の技術セミナー「Nokia Amplify Japan 2025」でAI時代のネットワークの進化と6Gへの展望について語った。

5Gから6Gへの展開で、通信ネットワークは真の社会インフラになる。通信事業者は、これを自らの使命として推進していかなければならない。では、そのために描くべき道筋はどのようなものなのだろうか。ノキアソリューションズ＆ネットワークスの加茂下哲夫氏（代表執行役員社長）に聞いた。

5Gが普及した一方で、5Gが“本来持つ機能”をフル活用するための準備が整っていない。国内の通信事業者にとっては高額な投資になるが、欧米では顧客体験の向上を重視した施策に取り組んで収益アップにつなげた事業者が登場している。その取り組みから成功のヒントを探る。

従来のセルラーネットワーク構造を革新する技術として、クラウドRANの市場規模が拡大する中、通信事業者による導入・検証がさまざまな形で進んでいる。ブルガリアの企業が行った検証プロジェクトをもとにクラウドRANの可能性を探る。

来たるAI社会を支える技術として、次世代のモバイルネットワークを実現する「AI-RAN」への注目度が高まっている。RANの効率・パフォーマンス向上にAIがどのように役立つのか、ユースケースも交え解説する。

無線アクセスネットワーク（RAN）の仕様をオープンなものにし、さまざまなベンダーの機器やシステムの相互接続を可能にする「Open RAN」。ここ数年、Open RANの導入が広がりを見せているが、どのようなメリットがあるのだろうか。

フィンランドの通信事業者Elisaは、ユーザーからの5Gに対する旺盛な要求に応える方法として、クラウドRANに注目する。同社では、その能力や、既存のRANとの相互運用性を検証すべく、欧州で初となるCloud RANトライアルに臨む。

アラブ首長国連邦における5Gの急速な普及に伴い、モバイルネットワーク環境を整備する必要に迫られていたe＆UAE。同社はその実現に向けて、クラウドベースのRANソリューションに注目し、ベンダーの協力を得てその実証実験に着手する。

NVIDIAのAIカンファレンス「NVIDIA AI Summit Japan 2024」において、ソフトバンクの孫 正義氏が登壇。CEOのフアン氏との対談の中でAIスーパーコンピューター構築構想や、AI-RAN実用化に向けた構想を語った。

ソフトバンクはAIとRANの統合ソリューション「AITRAS（アイトラス）」の開発を発表。今後、ソフトバンクの商用ネットワークに導入する他、2026年以降に国内外の通信事業者にも提供し、展開・拡大を目指していく。発表に先駆けて、11月12日にはメディア向けの説明会を開催した。

ソフトバンクは、11月13日にAI-RANのコンセプトを具体化した「AITRAS（アイトラス）」を発表した。AITRASは、神奈川県藤沢市の慶應義塾大学・湘南藤沢キャンパス（SFC）で実証実験が行われており、この基地局ソリューションは報道陣にも公開された。

NTT東西は11月18日、オールフォトニクス・ネットワークの技術を用いた最大800Gbpsの帯域保証型拠点間通信サービス「All-Photonics Connect powered by IOWN」を発表した。12月1日から順次提供する。

情報通信研究機構（NICT）とNEC、東北大学およびトヨタ自動車東日本は、公衆網（5G／LTE）とローカル5Gによるハイブリッドなネットワークを活用し、移動体との間で安定した無線通信を可能とする「SRF無線プラットフォームVer.2」の実証実験に成功した。

ネットワークは規模や用途によってさまざまな種類に分類される。特に広い範囲のネットワーク接続を指す「WAN」と「GAN」について詳しく見ていこう。

世界のモバイルネットワークエクスペリエンス（体験）を分析するOpensignalは、11月20日、日本のモバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポートの2024年10月版を発表した。

BT傘下の通信事業者はロンドンなど英国各地で「スモールセル」の活用を進めている。スモールセルはなぜ、土地が狭い英国の都市に最適な通信技術だと考えられるのか。