ODP.NETでOracle固有の機能を活用する:ODP.NETファーストステップ(1)(1/4 ページ)
Windowsプラットフォームにおけるアプリケーション開発は、.NETが主流となりつつある。本連載はVisualBasicから.NETへの移行を考えているOracleアプリケーション開発者に向けて、「Oracle Data Provider for .NET」を使うメリットや独自機能、新しいプログラミング・スタイルなどを解説する。(編集局)
ODP.NETを使うメリットとは?
主な内容
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▼ODP.NETを使うメリットとは?
▼ODP.NETのインストールと設定
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Oracle Data Provider for .NET(以下、ODP.NET)は、Microsoft .NET環境からOracleデータベースへネイティブに接続可能なミドルウェアです。.NET環境からOracleへ接続するためには、ODP.NET以外にも以下のようなミドルウェアがあります。
- OLE DB .NETデータプロバイダ
- ODBC .NETデータプロバイダ
- Oracle Objects for OLE(OO4O)
OLE DB .NET、もしくはODBC.NETデータプロバイダはオープンな規格であるため、OracleやほかのRDBMSに接続可能であり、共通インターフェイスで接続できるという特徴を持っています。しかし、仕様的に実装できないRDBMS独自機能が存在する場合もあります。また、データソースへの接続にブリッジが入るために、その分だけパフォーマンスが落ちてしまいます。
VB.NETでもOO4Oを選択してOracleへ接続することは可能です。OO4OはCOMベースのコンポーネントです。VB.NETではCOMコンポーネントを呼び出す際に、RCW(Runtime Callable Wrapper:ランタイム呼び出し可能ラッパー)と呼ばれる中間層を通して、呼び出し側の.NETクライアントと呼び出されるCOMコンポーネントのやりとりを随時翻訳しながら動作するため、オーバーヘッドが発生しパフォーマンスが落ちます。
これに対して、ODP.NETはOracleへ接続する際にブリッジが入らないため、高速にアクセスできます。
また、ODP.NETはOracleに特化しているデータプロバイダであり、以下の固有の機能を実装しています。
- PL/SQLの完全なサポート
- ネイティブなOracleデータ型のサポート
- LOB型、REF CURSOR、DATE型など
- 接続プーリング
- 配列バインド
- グローバリゼーション
- Unicodeの完全サポート
- トランザクション
- Microsoft Transaction Serverとの連携
- XML DBのサポート
- 透過的アプリケーション・フェイルオーバー(TAF)
ODP.NETのインストールと設定
ODP.NETはオラクル社の技術サイトであるOTN(Oracle Technology Network)から無償でダウンロードできます。
OTNのホームページの「ダウンロード」タブを選択し、「テクノロジ、ユーティリティ、ドライバ」の欄から、「Oracle Data Provider for .NET(ODP.NET)」のリンクをクリックしてください。
このページに記載されている動作環境、対応OS、利用可能なOracleデータベースなどを確認してからダウンロードを行ってください。インストール方法の詳細については、OTNの「意外と簡単!?.NETでOracle」にて詳細な手順を説明していますので、そちらを参照してください。(次ページへ続く)
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