第9回 WshControllerオブジェクトの詳細:Windows管理者のためのWindows Script Host入門(1/3 ページ)
WSHでは、リモート・コンピュータにスクリプトを送り込んで実行できる。これにより、複数のコンピュータの集中管理などが可能になる。
今回はWshController/WshRemoteオブジェクトについて解説する。これまで、Windows Script Hostの標準オブジェクトを順に解説してきた。今回でWScriptに含まれる標準オブジェクトの解説は最後である。
WshControllerオブジェクト、WshRemoteオブジェクト
今回はWshControllerオブジェクト及びWshRemoteオブジェクトの解説を行う。WshControllerオブジェクトやWshRemoteオブジェクトは、ローカル・コンピュータではなく、ネットワーク上のほかのコンピュータでスクリプトを実行するためのオブジェクトである。これらのオブジェクトを利用すれば、管理者のコンピュータで1つのスクリプトを実行するだけで、ネットワークにある複数のコンピュータ上でスクリプトを実行できる。いちいち複数のコンピュータにスクリプト・ファイルをコピーしたり、各コンピュータにログオンしてスクリプトを実行する必要はない。この機能は、管理者が多数のコンピュータを一括管理する場合などに役立つだろう。ただしこれには、コンソールとなるコンピュータと操作対象となるコンピュータの双方にWSH5.6以降の環境が必要である。
WshControllerオブジェクトを利用するには、WshShellオブジェクトやWshNetworkオブジェクトと同様に、あらかじめCreateObjectメソッドでインスタンスを作成する。WshControllerオブジェクトのプログラムIDはオブジェクト名そのままの“WshController”である。WshShellオブジェクト(プログラムIDは“WScript.Shell”)やWshNetworkオブジェクト(プログラムIDは“WScript.Network”)は“WScript.”からプログラムIDが始まるが、WshControllerはWSH5.6で追加された新しいオブジェクトであり、名前の付け方の規則が変わっているようだ。
例えばWshControllerオブジェクトを作成するには次のようにする。
Set objController = WScript.CreateObject("WshController")
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