Oracleにおける.NET開発環境の概要:.NETでOracleアプリを作ろう(1)(4/4 ページ)
本記事では、Oracleが提供する.NETプラットフォーム開発向けのミドルウェアやツールを使って、.NET環境でOracleアプリケーション開発を効率的に行うためのノウハウを解説する。(編集部)
Oracle Database Extensions for .NET(ODE.NET)による.NETストアドプロシージャ
SQL Server 2005ではSQL CLRと呼ばれるCLR統合機能が追加され話題を呼んでいますが、Oracleデータベースでも、同様の機能がOracle Database 10g Release2から追加されます注2。それがODE.NETです。ODE.NETは、図9のようにOracleデータベースの外部プロシージャとして動作するCLRのホスト機能を提供することでこの機能を実現しています。
.NETストアドプロシージャを作成するためには、ODT 10.2のインストールが必須です注3。ODTがインストールされた環境でVS.NETを起動すると、新しいプロジェクトとして、「Oracle Project」を選択することができます(図10)。
▼http://otn.oracle.co.jp/tech/dotnet/index.html
ただし、データベース・キャラクタ・セットが、Unicodeまたはマルチバイトの場合、.NETアセンブリのデプロイが正常に終了しません。この問題が解消されたモジュールは、準備が出来次第、OTN-Jで公開される予定です。修正モジュールの提供開始以前にODE.NETをお試しいただく場合は、データベース・キャラクタ・セットにUS7ASCIIなどのシングルバイト系のものを指定してデータベースを作成してください。
Oracle Projectは、.NETストアドプロシージャを作成するためのテンプレートを提供します。これにより、開発者はプロシージャのロジックの作成に専念することができます。.NETストアドプロシージャの元となる.NETアセンブリ内でOracleデータベースに接続する必要がある場合、ODP.NETを使用できます。
.NETアセンブリのビルドが無事完了したら、やはりVS.NETからOracleデータベースへ完成した.NETアセンブリをデプロイします。デプロイには、ODTの1つのコンポーネントである、Oracle Deployment Wizard for .NETを使用しますが、これもVS.NETに完全に統合されていますので、違和感なくデプロイまでが完了します(図11)。
問題なくデプロイが完了すれば、通常のPL/SQLプロシージャ同様にアプリケーションや、ほかのストアドプロシージャなどから実行することが可能となります。
次回からは、これらの機能やツールを簡単なサンプルアプリケーションの作成を行いながら具体的に解説していきます。どうぞご期待ください。
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