本記事では、Oracleが提供する.NETプラットフォーム開発向けのミドルウェアやツールを使って、.NET環境でOracleアプリケーション開発を効率的に行うためのノウハウを解説する。(編集部)
Oracleは.NETプラットフォームにおけるさまざまな機能やツールを提供し、Oracleデータベースを利用する.NETアプリケーションの開発環境をサポートしています。これらの機能やツールを使用することで、開発者はより効率良く簡単に.NETアプリケーションを作成することが可能です。
図1は、Visual Studio .NETとOracleを取り巻く開発環境の概略図です。Oracle Data Provider for .NET(以下、ODP.NET)、Oracle Developer Tools for VS.NET(以下、ODT)、Oracle Database Extensions for .NET(以下、ODE.NET)により、Oracleと.NETプラットフォームは密接に結び付いています。
本連載では、.NET開発者から見て有益な、これらの機能やツールにフォーカスを当て、その特徴や具体的な使用方法を解説します。今回は、これらすべてのツールで使用されるミドルウェアであるODP.NETについて簡単に説明を行い、次回以降に紹介する予定のODTやODE.NETについてダイジェストで解説します。
.NET環境でOracleデータベースへの最適なアクセスを提供すべく、Oracle9i Database Release 2からOracleはODP.NETを提供しています。途中に余計なブリッジが入らず、OracleネイティブなミドルウェアであるODP.NETは、高速かつOracleの機能を最大限に引き出すことが可能です(図2)。
Oracleネイティブということで、独自の開発インターフェイスではないかと心配される開発者の方もいらっしゃるかもしれませんが、ODP.NETはADO.NETに準拠しているため、開発者の視点からは、ADO.NETで開発するのとほとんど変わりはありません。
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リスト1 ODP.NETでのコーディング(VB.NET) 赤字部分のみがODP.NETでの変更点。 |
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リスト2 ODP.NETでのコーディング(C#) 赤字部分のみがODP.NETでの変更点。 |
リスト1、リスト2は、データベースへ接続するサンプルコードになりますが、基本的にConnectionコンポーネントの接頭語が異なるだけで、そのほかのコーディングスタイルはADO.NETと同じです。これに加えて、さらに高速かつOracleデータベースの機能を最大限に引き出すことが可能なODP.NETは、.NET環境でOracleに接続するアプリケーション開発の標準的なミドルウェアといえます。(次ページへ続く)
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