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OSコマンドによる物理バックアップの全手順Oracleバックアップ/リカバリ講座(6)(1/5 ページ)

本記事では、Oracleデータベースのバックアップ/リストア/リカバリについて、そのアーキテクチャ、代表的なバックアップ手法、論理/物理バックアップ、RMANといった全般的な内容を解説していく。(編集部)

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主な内容

--Page 1--
▼OSコマンドによる物理バックアップの取得方法
▼一貫性バックアップ
--Page 2--
▼一貫性バックアップ(続き)
--Page 3--
▼非一貫性バックアップ
--Page 4--
▼非一貫性バックアップ(続き)
--Page 5--
▼アーカイブREDOログファイルのバックアップ


 前回の「Data Pumpを使った論理バックアップの実践」では、Data Pumpユーティリティを使用した論理バックアップ方法について説明しました。今回からは、物理的なバックアップ方法について説明していきます。

 物理的なバックアップ方法として、まずはOSコマンドによる物理バックアップの取得方法に焦点を絞り、使用方法や注意点を説明します。なお、以降のバックアップ実行結果は、LinuxのOracle Database 10g Release 2で実行した結果となります。

OSコマンドによる物理バックアップの取得方法

 OSコマンドによる物理バックアップとは、データベース構成ファイルであるデータファイル、制御ファイルなどをOSやストレージ機能などを利用して物理的にバックアップする方法を指し、マニュアルでは「ユーザー管理バックアップ」と説明されています。

 基本的な考え方としては、データベースを構成する物理的なファイルを、OSコマンド(cp、tar、ddコマンドなど)を使用して、ディスク上やテープデバイスにバックアップする方法となります。もちろん、これらのOSコマンドの代わりに、バックアップツールやストレージ機能を使用することも可能です。

 実際、小規模なシステムでは、OSコマンドのみでも、十分なバックアップの仕組みを作ることができますが、大規模システムやミッションクリティカルなシステムでは、バックアップのパフォーマンスや運用管理面などから、ストレージ機能やバックアップツールを利用する場合が多く見られます。

 OSコマンド以外の方法でOracleデータベースのバックアップを取得する場合も、手順や流れは同じになりますので、この点を理解しておくことは非常に重要となります。

 表1のように、物理バックアップの取得方法にはデータベースを正常に停止して取得する一貫性バックアップ(コールド・バックアップまたはオフライン・バックアップ)と、データベースが稼働した状態で取得する非一貫性バックアップ(ホット・バックアップまたはオンライン・バックアップ)があります。取得対象が少し異なりますので注意してください。それぞれの詳細については、これ以降に説明していきます。

バックアップ方式 データ
ファイル
テンポラリ
ファイル
制御ファイル オンラインREDO
ログファイル
アーカイブREDO
ログファイル
一貫性バックアップ 必要 任意(※1) 必要 任意(※1) 必要(※2)
非一貫性バックアップ 必要 不要(※3) 必要 不要 必要
表1 バックアップ対象となるデータベース構成ファイル
※1 リカバリ時に作成することが可能であるため
※2 アーカイブモードでの運用の場合には取得
※3 データベース復旧後の再作成(ローカル管理一時表領域の場合)

一貫性バックアップ

 一貫性バックアップとは、データベースをSHUTDOWN NORMAL(デフォルト)、IMMEDIATEもしくはTRANSACTIONALオプションを使用して停止させ、データベースの一貫性を保持した状態で取得するバックアップです。

 データベースを停止して、すべてのデータベース構成ファイル(データファイル、制御ファイル、オンラインREDOログファイル(TIPS 1参照))をOSコマンドでバックアップするだけなので、手順も非常に簡単であり、最も基本的なバックアップ方法といえます。

 それでは、ノーアーカイブモードで運用しているデータベースにおいて、毎週日曜日に一貫性バックアップを取得しているシステムを考えてみましょう。図1は、そのシステムにおいて水曜日に障害が発生した場合を想定し、一貫性バックアップを使用した復旧までの流れをまとめています。ノーアーカイブモードで運用している場合には、オンラインREDOログファイルが上書きされてしまうため、このような場合には日曜日時点のデータにしか復旧することができません。

図1 一貫性バックアップの取得と復旧までの流れ
図1 一貫性バックアップの取得と復旧までの流れ

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