【ポータルのカスタマイズ】ショートカット・リンク集を設置
グループSNSでは、SNSのポータルページ自体を業務で使うポータルページとしても利用できるように、業務でよく使う社内・社外サイトのリンク集を追加しました(図7)。
これはOpenPNEの「テンプレート挿入」機能を利用しています。
「テンプレート挿入」機能はOpenPNE管理画面の[デザイン]タブの[テンプレート挿入]から行います(図8)。
筆者の管理するSNSでは、ほかにもページ全体の構成にあわせて装飾やテーブルレイアウトを工夫しています。
【拡張モジュールの追加】「全体に公開の最新日記」を表示
OpenPNEの個人のポータルページ(ホームページ)には、「マイフレンド」に登録した友人の最新の日記、自分の参加しているコミュニティの最新の書き込み、などが一覧表示されています。ここに、マイフレンド以外のSNS参加者が全体に公開している最新日記情報も掲載させました(図9)。
この機能の実現には、OpenPNEの「拡張モジュール」を利用しています。
OpenPNEの拡張モジュールはたくさんある
OpenPNEはオープンソースプロジェクトとして開発されており、個人や団体が改良を加えたり、追加機能を提供したりすることが可能です。OpenPNEを拡張するモジュールも数多く開発されていて、いくつかは自由に利用できる形で公開されています。
例えば、「全体に公開の最新日記」をポータルページに表示させる機能は、Naoya Shimada氏が作成した拡張モジュールを基にして実現しています(参考サイト:『Web2.0ってなんだよぅ』 )。
【機能の追加】RSSで最新情報を配信
SNSはコミュニケーションを取るための非常に有用なツールです。そのコミュニケーションの基本は、誰かの個人日記やコミュニティへ書き込みに対してコメントを付け合うところにあります。
OpenPNEでは、マイフレンドが日記やコミュニティへ書き込んだり、自分の日記にコメントが付けられたりすると、最新情報がデイリーメールとして配信されます。しかし、社内など業務でもメールを頻繁に利用している場合、SNSのコミュニティ更新などのメールが業務に差し障ったり、ほかのメールに埋もれてしまったりすることがあります。
こういった問題を解決する方法として、最新情報をRSSで配信することでSNSに直接ログインせずに、また更新情報がほかのメールなどに埋もれたりすることなく、必要な情報を必要なときに取得できるようになります(図10)。
最新情報のRSS配信は拡張モジュールや本体の改造などで実現でき、その方法もいくつか公開されています。独自の改造としても、ある程度仕組みが理解できれば比較的容易に実現できるとのことです(筆者の周りでは、RSS配信の改造は2時間程度で実現できた、とのことです)。
コラム 社内でグループ向けSNSを開設している管理者へのインタビュー
Q:どういった目的でSNSを導入しましたか?
A:最初はSNSの機能を確認するため、現在はコミュニケーションや情報の共有、To-Do管理※などに利用しています。
※筆者注:OpenPNEのBIZモードを利用しています。BIZモードでは、OpenPNEの標準機能のほかに、「グループ」の概念、スケジュール管理機能、To-Do機能、施設予約機能が追加で利用可能になります。
Q:どういった目的でSNSを導入しましたか?
A:最新日記やコミュニティ更新をRSSで配信させています。所属している部門のイントラネット向けサイトのポータルページの「新着お知らせ」にSNSの新着情報を掲載するために導入しました。改造に要した時間は2時間くらいです。
Q:どういったメリットがありましたか?
A:まず、ポータルサイトに最新情報が掲載されたことで、SNSの非参加者に対しても活動状況がアピールでき、参加の促進も図れました。また、自分の参加していないオープンの(誰でも参加できる)コミュニティの更新情報が分かるほか、業務の最新情報とともに部門のポータルページからSNSの更新が確認できて非常に便利です。
Q:ほかに拡張の追加やカスタマイズはしていますか?
A:「レビュー」機能を利用するには、インターネット上のレビューサイトに接続する必要があるのですが、社内からはProxyサーバを経由しないとインターネットに接続できないため、Proxyサーバを経由してレビューサイトに接続できるよう改造しています。PHPは専門外なのですが、もっと良い方法はあると思います。
$GLOBALS['PROXY_CONFIG'] = array( 'proxy_host' => 'xxx.xxx.co.jp', 'proxy_port' => 'xxxx' );
編集部注:OpenPNEにおけるconfig.phpファイルの編集について詳しく知りたい読者は連載第2回の「実際に、OpenPNEでID連携をしてみる」をご参照ください。
【修正前】 $http = &new HTTP_Request($url); 【修正後】 global $PROXY_CONFIG; $http = &new HTTP_Request($url,PROXY_CONFIG);
Q:SNSを社内やグループ内で活用するために、どんな機能や連携ができたら良いと思いますか?
A:スケジュールや日記のデータを外部システムと連携できるようにしたいですね。また、ポータルページをカスタマイズしやすく、ほかのページのRSSを取り込んで表示したり、個人ごとにカスタマイズできたりする機能があると便利そうです。
ありがとうございました。
続いて次ページでは、、ほかのシステムとSlavePNEでID連携する事例やNECがコミュニティに還元するさまざまなAPIを紹介し、OpenPNEやSNSの未来についてお話します。
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