ほかのシステムとSlavePNEでID連携する事例
第2回の手嶋氏の記事でも紹介されていましたが、OpenPNEはSlavePNEとMasterPNEの2つの方式でほかのシステムとのID連携を実現しています。
例えば、社内インフラであるLDAPサーバとSlavePNEでID連携することによって、SNSと勤務管理システム、施設予約システム、社内ブログなどとログイン情報を共有できます。
編集部注:LDAPについてについて詳しく知りたい読者は、セキュリティ用語辞典の[LDAP]をご参照ください。
なお、筆者の環境では、OpenPNE側にSlavePNE用のLDAP認証プラグインを作成して設置する必要がありました。現在筆者は、POP3認証のSlavePNEでID連携したSNSも管理しています(図11)。
GoogleAppsとも連携!
また、最近になってOpenPNEの公式サイトでGoogleAppsとOpenPNEを連携させる方法が動画付きで紹介されましたので、そちらも参考にしてみてください。
NECがコミュニティに還元するさまざまなAPI
OpenPNEとほかのツールを連携する方法はSlavePNE/MasterPNEのID連携だけではありません。NECでは、OpenPNEとほかのツールを直接連携するためのAPIを作成しており、順次OpenPNEの開発コミュニティに還元しています。
すでに存在している認証APIとは別に、日記の内容取得API、コメント書き込みAPI、あしあと取得APIなどを開発コミュニティに提供しています(図12)。これらのAPIを拡充していくことで、外部のサービスとの連携が容易になります。
APIでの連携でできること
例えば、OpenPNE外のCMS(Contents Management System)で特定の日記を公開したり、特定のユーザーの日記を見たユーザーのみが参加できるチャットルームを提供したり、あるコミュニティに参加している人向けに配信するメーリングリストを作成できるようになるでしょう(図13)。
SNSの未来はどうなるのか?
さて、OpenPNEを使った社内SNSを構築する連載は今回で最終回ですが、いかがでしたでしょうか。
SNSは「人間関係をオンラインで構築する」という概念の基に作られています。今回紹介したとおり、OpenPNEは本体のカスタマイズ性に優れており、SNS以外の外部ツールとの連携にも大きな可能性を持っています。コミュニティを主体にした開発はまさに日進月歩で、新たな機能や概念がどんどん取り入れられています。
OpenPNEは、SNSの持つ「楽しさ」や「つながり」の共有以上に、人間関係をベースにしたさまざまなツールの基盤として機能する、一種のインフラとなりえるでしょう。
筆者らも、まず自分たちが社内などでSNSを活用し、より活用できる環境をコミュニティと協力して作り上げつつ、「SNSをベースにした、これまでになかった体験や感動」を提案していきます。より良い環境を作り、多くの方に環境を提供する力となれるよう、今後も誠心誠意取り組ませていただこうと思います。
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