32歳Javaプログラマ、職務経歴書改良で給与アップ:あなたの職務経歴書鑑定します!(1)(2/2 ページ)
転職における最初の「難関」が職務経歴書の作成だ。その仕上がりが転職の成功・失敗を分けるといっても過言ではない。この連載では毎回1つの職務経歴書を取り上げ、キャリアコンサルタントのアドバイスに従って改良する。優れた職務経歴書で、自分を企業に売り込め!
改良後:アピールポイントを目立たせ、マネジメント経験も明記
そこで私は川村さんに、この職務経歴書の改良を提案しました。
「川村さん、この職務経歴書ですが、企業に見せたいWebシステム開発の経験をもっと目立たせることができると思いますよ。古い順でなく、アピールしたい直近の経験から始めるんです」
「えっ、古い順に書かなくてもいいんですか」
「もちろんです。開発の内容も、もっと分かりやすく分類して書きましょう。それからせっかくのマネジメント経験も、自己PR欄を作ってアピールしましょう」
改良した結果が、図2の職務経歴書です。当初作成したものと比較すると、違いがはっきりと分かります。
(Wordファイルのサンプル)
改良ポイントは下記のとおりです。
1.時系列だった表記を逆時系列で表現
今回はインターネット系の企業にターゲットを絞り込んでいるため、直近で経験したWeb関連の経験を企業に強く印象付けるのに有効です。
2.開発経験を、期間、業務内容、環境・言語、職位などに分類して表現
業務経験と技術の特徴を、分かりやすく表現できます。
3.ITエンジニアとしての経験を詳細に。前職は省略
アピールしたいITエンジニアとしての経験を詳細に明記し、関係の薄い前職の内容は省略することにより、インパクトを強めることができます。
4.マネジメント経験を明記
メンバーのマネジメント経験を表記することにより、プロジェクトでのリーダー経験がなくても今後の可能性を感じさせることができます。
5.自己PRを追加
人柄や性格、メンバーのマネジメント経験を追記することで、職務経歴では表現できなかった点をアピールし、経験不足を補うことができます。
書類選考合格! そして、内定へ
職務経歴書の改良ができると、さっそく各社へ応募をしました。書類選考の結果、B社とC社の2社から書類選考合格の連絡をもらうことができました。
工夫の末、とうとう書類選考を通過することができた川村さん。面接は非常にスムーズに進み、インターネット系システム開発会社B社の内定を得ることができました。そして迷うことなく入社を決定したのです。
この企業は、川村さんが入社した翌年に上場を果たし、大増員を行いました。川村さんは現在、数人のメンバーを持つリーダーとして、プロジェクトの中核的なポジションで活躍しています。もともとの動機であった給与面はもちろん、ITエンジニアとして大きくステップアップすることができたのです。
川村さんの例でも分かるように、対象とする企業を意識して職務経歴書を作成することは、どんな場合においても重要です。
特に経験が企業の求める基準に達しない場合、よく企業の研究を行って、その結果を反映させましょう。経験内容だけではなく、個人の性格や考え方を盛り込むことで、印象が変わることもあります。
良い職務経歴書を作成することは、転職を成功させるための重要なファクターです。読者の中にも企業への応募を考えている人がいると思いますが、応募をする前にもう一度、職務経歴書の検討をしてみてはいかがでしょうか?
筆者紹介
アデコ 人材紹介サービス部 シニアコンサルタント
人事系コンサルティング会社にて人事採用と教育・人事制度関連のコンサルティングに従事。その後、IT専門の人材サーチ会社にてITコンサルタントやSEを中心とした人材のキャリアコンサルタントを経験、現職に至る。これまで、IT業界を中心に3000名以上の転職支援を行った実績あり。現在、@ITジョブエージェントのパートナーとしても活躍中。
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