Oracleインスタンスとデータベースの起動:間違いやすいポイントを追え! Bronze DBA講座(5)(1/2 ページ)
Oracleデータベースエンジニアとしての基礎力を証明するORACLE MASTER Bronze。その取得を目指すITエンジニアのための講座が本連載だ。間違いやすいポイントを確認し、合格に近づこう!
前回「Oracleインスタンスを構成するプロセス」に引き続き、Oracleインスタンスの管理について、間違いやすい部分を中心に学習します。今回は、以下の項目を確認します。
- インスタンスの起動、停止
- データベース起動の順序
- データベース起動時のエラー
インスタンスの起動と停止を実行できる権限
■例題1
インスタンスの起動および停止が実行できる権限を、次の中から2つ選んでください。
a.SYS
b.SYSDBA
c.SYSTEM
d.SYSOPER
e.DBA
■例題の範囲をおさらい
参考:「Oracleユーザーの権限とロール」
インスタンスを起動、停止することができる権限は、次の2つです。
SYSOPER権限
PUBLICスキーマに接続し、以下の操作が可能です。
- インスタンスの起動、停止(startup / shutdown)
- データベースのオープン、マウント(alter database open / mount)
- 制御ファイルのバックアップ(alter database backup controlfile)
- データベースのリカバリ(recover database *完全リカバリのみ)
- アーカイブモードへの変更(alter database archivelog)
- restricted session権限
など。
SYSDBA権限
SYSスキーマに接続し、SYSOPER権限でできる操作に加えて以下の操作が可能です。
- データベースの作成、削除(create database / drop)
- データベースのリカバリ(recover database until *不完全リカバリも可能)
など。
SYSOPER権限には、インスタンスの起動や停止などの基本的な操作の権限のみ与えられているのに対し、SYSDBA権限には無制限の権限が与えられています。
■正解
b、d
■解説
選択肢a:SYSは権限ではなく、ユーザー名(スキーマ名)です
選択肢b:SYSDBA権限では、インスタンスの起動および停止ができます
選択肢c:SYSTEMは権限ではなく、ユーザー名(スキーマ名)です
選択肢d:SYSOPER権限では、インスタンスの起動および停止ができます
選択肢e:DBA権限では、インスタンスの起動および停止ができません
よって、インスタンスの起動および停止が実行できる権限はb、dです
データベース起動の順序
■例題2
データベースを起動する順序として正しいものを選択してください。
- データファイル、REDOログファイルのオープン
- SGAの割り当て
- バックグラウンドプロセスの起動
- 初期化パラメータの読み込み
- 制御ファイルのオープン
a.2 → 4 → 5 → 3 → 1
b.2 → 4 → 3 → 5 → 1
c.4 → 3 → 2 → 5 → 1
d.4 → 2 → 3 → 5 → 1
e.4 → 5 → 3 → 2 → 1
■例題の範囲をおさらい
参考:「Oracleインスタンスを管理する」
データベースは、以下の順序で起動します。
1.NOMOUNT(インスタンスの起動)
初期化パラメータファイルを読み込みます。設定されているパラメータ値からSGAの割り当てを行い、バックグラウンドプロセスを起動することでインスタンスが起動します。
2.MOUNT(データベースのマウント)
制御ファイルをオープンし、制御ファイルに記録されているデータ構造をチェックします。
3.OPEN(データベースのオープン)
データファイル、REDOログファイルを読み込み、オープンします。データベースがオープンすると、ユーザーはデータベースにアクセス可能になります。
■正解
d
■解説
NOMOUNTにて初期化パラメータの読み込み → SGAの割り当て → バックグラウンドプロセスの起動を行うことによって、インスタンスが起動されます。
MOUNTにて制御ファイルがオープンされます。
最後にOPENにてデータファイル、REDOログファイルを読み込み、データベースがオープンすることでデータベースの操作が可能になります。
この正しい手順を表している選択肢はdです。
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