Oracleインスタンスとデータベースの起動:間違いやすいポイントを追え! Bronze DBA講座(5)(2/2 ページ)
Oracleデータベースエンジニアとしての基礎力を証明するORACLE MASTER Bronze。その取得を目指すITエンジニアのための講座が本連載だ。間違いやすいポイントを確認し、合格に近づこう!
データベース起動時のエラー
■例題3
データベースを起動したところ、エラーが発生しインスタンスが起動できませんでした。原因として考えられるのは次のうちどれでしょうか。正しいものを選択してください。
a.REDOログファイルの損失
b.初期化パラメータファイルの損失
c.制御ファイルの損失
d.データファイルの損失
■例題の範囲をおさらい
参考:「Oracleインスタンスを管理する」
以下のファイルが破損しているとエラーが発生し、データベースを起動できません。
・初期化パラメータファイル
初期化パラメータファイルは、NOMOUNT時に読み込まれ、SGAの割り当てとバックグラウンドプロセスの起動を行います。それによってインスタンスが起動されます。従って、初期化パラメータファイルが損失している場合、インスタンスの起動時にエラーとなります。
初期化パラメータファイルが損失した状態で起動を行うと、以下のようなエラーになります。
(例)
SQL> startup
ORA-01078: システム・パラメータの処理に失敗しました。
ORA-01565: ファイル'初期化パラメータファルのパス'の識別中にエラーが発生しました。 ORA-27041: ファイルをオープンできません。
……
・制御ファイル
制御ファイルは、MOUNT時にオープンされるファイルです。制御ファイルが損失している場合、インスタンスの起動は可能ですが、MOUNT時にエラーとなります。
制御ファイルが損失した状態で起動を行うと、以下のようなエラーになります。
(例)
SQL> startup
ORACLEインスタンスが起動しました。
……
ORA-00205: 制御ファイル識別エラー。詳細はアラート・ログをチェックしてください。
・REDOログファイル、データファイル
REDOログファイルおよびデータファイルは、OPEN時に読み込まれ、データベースがオープンし操作が可能になります。REDOログファイルまたはデータファイルが損失している場合、制御ファイル、REDOログファイル、データファイルの整合性が取れていない状態となります。従って、MOUNTは可能ですがデータベースのオープンができません。
REDOログファイル、データファイルが損失した状態で起動を行うと、以下のようなエラーになります。
(例:REDOログファイルの場合)
SQL> startup
ORACLEインスタンスが起動しました。
……
データベースがマウントされました。
ORA-00313: ログ・グループ1(スレッド1)のメンバーをオープンできません。
ORA-00312: オンライン・ログ1 スレッド1: 'REDOログファイルのパス'
(例:データファイルの場合)
SQL> startup
ORACLEインスタンスが起動しました。
……
データベースがマウントされました。
ORA-01157: データファイル4を識別/ロックできません - DBWRトレース・ファイルを参照してください
ORA-01110: データファイル 4 : ‘データファイルのパス'
■正解
b
■解説
選択肢a:REDOログファイルが損失している場合、OPEN時にエラーとなりMOUNTまではできるため、インスタンスは起動できます。
選択肢b:初期化パラメータファイルが損失している場合、インスタンスの起動はできません。
選択肢c:制御ファイルが損失している場合、MOUNT時にエラーとなりNOMOUNTまではできるため、インスタンスは起動できます。
選択肢d:データファイルが損失している場合、OPEN時にエラーとなりMOUNTまではできるため、インスタンスは起動できます。
よって、インスタンスが起動できない理由として考えられるのはbです。
■まとめ
次の内容をチェックしましょう。
- インスタンスの起動、停止
- データベース起動の順序
- データベース起動時のエラー
次回はデータベース記憶構造の管理について、間違えやすい点にポイントを絞って説明します。
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