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30代前半、これだけは身に付けたいスキル30代前半、これだけは身に付けたいスキル(3/3 ページ)

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プロマネこそ情報セキュリティへの理解が必要

情報セキュリティ大学院大学 教授 内田勝也氏
情報セキュリティ大学院大学 教授 内田勝也氏

 プロジェクトマネージャクラスのITエンジニアにこそ、情報セキュリティに対する正しい認識を持ってほしいと情報セキュリティ大学院大学 教授 内田勝也氏はいう。内田氏によると、情報漏えいを含むセキュリティ問題の多くは、“守る側の過失”や“認識不足”にあるとする。過失や認識不足の根底には、実は人間心理に対する理解の欠如が横たわっている。「人間的側面から情報セキュリティを考える」という今回のテーマは、技術的な話題に偏りがちな情報セキュリティの問題に関して、その本質は、セキュリティにかかわる人間行動の基本的な在り方にあると警鐘を鳴らすものだった。

 「SQL Slammer事件」や「Blasterワーム事件」「モバイルSuica不正利用事件」といったセキュリティ関連の有名事件・事故の本質はどこにあるのだろうか? 問題は大きく3つの層(OS上の問題、アプリケーション作成上の問題、システム設計上の問題)に分けられる。これまでは、OSやアプリケーションに焦点を絞った技術的な不具合として問題が指摘されてきたが、内田氏は、「どのようなシステムを設計するか、どのようにプログラムを書くかといったシステム設計でのセキュリティが最も需要である」と指摘する。このことは必ずしも技術的な問題とはいえない。むしろ、ユーザーがどのようにシステムを利用するか、ありとあらゆる可能性を追求する姿勢とそれを可能にする経験、知識が求められる。人間の行動に関する深い理解が、設計、実装作業という技術面の基盤に置かれなければ、人々が安心して使える技術を構築することは難しいのである。

共に考え、共に実践する新しいコンサルティングの形とは

ケペル 小林学氏
ケペル 小林学氏

 コンサルタントの仕事は、「営業活動・受注活動」「戦略策定・企画策定・計画策定」「施策実行・システム導入」「運用・運用支援」「評価・効果検証」というプロセスで進行する。最も重要なのは「戦略策定……」の部分だとケペルの小林学氏は指摘する。大規模なコンサルティングファームでは、ある程度上級職の仕事になることが多いが、小規模なコンサルティングファームでは若手がこの領域に参画できる可能性が高い。ゆえに、小林氏は「どうしても戦略策定などの仕事がしたい人は、小規模で良質なコンサルティングファームへの就職をお勧めする」と話す。

 顧客企業がコンサルティングサービスに求めることは、「当初約束したとおりのプランの実行」と「自分たちの知見を超える知見の発揮」にあると小林氏はいう。そして、コンサルティングファームは、あるプロジェクトにコミットするだけではなく、そのプロジェクトと関連する事業全体にコミットするべきだとする。

 同社の強みは、コンサルティングサービスの提供だけではなく、さまざまな事業展開を実際に行っている点にあるとする。コンサルティングサービスといわれる仕事は、「どれだけお客さまの事業にコミットできるかによって成果が変わる」(小林氏)。そして、事業にコミットするには、「事業についての高度な知見が必要となる」(同)。高度な知見を獲得するためには、「(自ら)事業を行うことが最も効果的である」(同)。故に、同社はコンサルティングサービスを展開すると同時に自ら事業の企画、運営をも行っている。

次の時代を見据える力

3Di 鎌田卓氏
3Di 鎌田卓氏

 3Diの鎌田卓氏は「先端技術企業が求める次世代のITエンジニア像」と題して、メタバース市場の今後について語った。

 鎌田氏は「ブロードバンドの次は3Dインターネットの時代」と語り、2次元の限界について、Amazon.comを例にとって説明。「求める商品の場所(URL)をユーザーが記憶することができない」「適切なキーワード入力がユーザーに求められる」「リアルビジネスとかけ離れたネットビジネス独特のノウハウが必要」という3点を掲げ、それ故に、インターネットビジネスは産業としてまだ小さいままであると説明した。一方で、3Dインターネットは「場所を経験的に記憶しやすい」「文字(キーワード)の記憶ではなく、絵や形で記憶できる」「現実に近い商品陳列が可能」といった利点があるとし、現実のノウハウを利用できることで、従来のインターネットビジネスに比べ、より市場の拡大が可能だろうと鎌田氏は語った。

 また、鎌田氏はセカンドライフの問題点について「手続きが面倒」「高機能のパソコンスペックが必要」「操作が難しい」「何をしてよいか分からない」「何をするにもお金がいる」「右も左も広告だらけ」「人気の場所はエロかギャンブル」などを挙げ、「これらは、パソコン通信時代にいわれていたことと同じ」であると主張した。パソコン通信からインターネットへの転換と普及には、過度の期待が高まった後、「幻滅期」を乗り越えて普及に至った経緯があり、メタバースも現在は幻滅期に入っているが、今後新たなビジネス市場が登場してくるだろうと鎌田氏は主張した。その根拠の1つとして鎌田氏は、パソコンメーカーはより高機能のパソコンを売るために、3Dのような「高いスペックを必要とするサービスやコンテンツ」の拡大を志向すると説明。そのため、今後3Dインターネットのビジネス市場の創出は考え得ることであるとした。さらに、こうした「市場の動き」に敏感になることが必要であると鎌田氏は強調し、「これからの技術者は単に技術を極めるのではなく、マーケットの動向を見極めないといけない」と語った。

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