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Linux印刷システムの仕組みと設定実践でも役立つLPICドリル(7)(3/4 ページ)

本連載は、Linux 認定試験 LPICに対応しています。一般的なLinuxユーザーレベルのトピックは省略し、システム管理とサーバ管理の内容を取り上げています。また、LPIC対策だけでなく、関連するトピックについて系統的な理解を問う問題も出題しています。連載の特徴は、対象となるプログラムのバージョンを可能な限り明記していること、比較的新しくまとまった解説がまだ少ないトピック、重要だが理解しにくいトピックを優先して取り上げていることです。問題を解き、その解説を読むことにより実践でLinuxを活用できる力を身に付けます。

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演習問題

 ポイントを押さえたら、演習問題に挑戦してみましょう。問題ごとに、LPIC試験での重要度を記載しています。試験を受ける際の参考にしてください。

問題1

 CUPS印刷システムにおいて、ファイル名fileAというファイルをデフォルトではないプリンタlp2に2部打ち出します。実行するコマンドはどれですか?(2つ選択)

[試験対策の重要度:(level1)***、(level2)-]


a.lpr -#2 -P lp2 fileA

b.lpr -n 2 -d lp2 fileA

c.lpr -2 fileA

d.lp -#2 -P lp2 fileA

e.lp -n 2 -d lp2 fileA

f.lp -2 fileA

正解

 a、e

解説

 BSD系のlprコマンドでは部数は-#、プリンタ名は-Pで指定します。System V系のlpコマンドでは部数は-n、プリンタ名は-dで指定します。従って、選択肢a選択肢eが正解です。

問題2

 CUPS印刷システムにおいて、lpqコマンドとlpcコマンドでプリントキューを表示したところ、次のように表示されました。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

[試験対策の重要度:(level1)**、(level2)-]


(設問1)117番のジョブはファイルの内容に誤りがあったので、取り消します。実行するコマンドはどれですか?(2つ選択)

a.lp -d 117

b.cancel 117

c.delete 117

d.lprm 117

(設問2)117番のジョブは取り消したが、116番のジョブはまだ打ち出されずに残っています。どのコマンドを実行すれば打ち出されますか?(1つ選択)

a.cupsenable lp1

b.enable 116

c.accept lp1

d.accept 116

正解

(設問1)b、d(設問2)a

解説

(設問1)印刷ジョブの取り消しはBSD系はlprmで、SystemV系はcancelコマンドで行います。印刷ジョブの指定はlpqあるいはlpstatで表示されるジョブ番号を指定します。従って、選択肢b選択肢dが正解です。

(設問2)CUPS印刷システムではキューからプリンタへの出力を許可するコマンドはcupsenableです。引数にはプリンタ名を指定します。選択肢aが正解です。

 選択肢bのenableは、System V系のコマンドであり、また引数がプリンタ名ではなくジョブ番号となっているので、間違いです。

 acceptはキューへの入力を許可するコマンドなので、選択肢c選択肢dは間違いです。

問題3

 GhostScriptのコマンドgs -hを実行して、組み込まれているドライバを表示したところ、多くのプリンタドライバに交じって、x11というドライバが表示されました。これはX Window Systemのウィンドウデバイスのドライバです。そこで次のようにgsコマンドのデバイスにx11を指定し、PostScriptプログラムsnowflak.psを引数に指定して実行するとどうなりますか?(1つ選択)

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

[試験対策の重要度:(level1)*、(level2)-]


a.X のウィンドウが開き、PostScriptプログラムが実行されて、表示が行われる

b.X のウィンドウが開き、PostScriptプログラムのコードがそのまま表示される

c.gsはPDFは表示できても、PostScriptは表示できないのでエラーとなる

d. gsは印刷用のユーティリティなので、X11を経由してデフォルトプリンタに出力される

正解

 a

解説

 GhostScriptコマンド gs(/usr/bin/gs)はPostScriptインタプリタなので、PostScriptプログラムを解釈、実行できます。gsに組み込まれているほとんどのドライバはプリンタ用ですが、x11はX Window Systemのウィンドウ用のドライバです。PostScriptプログラムが実行されて、ウィンドウの中に表示が行われます。よって、選択肢aが正解です。

 なお、gsはPostScriptだけでなく、EPSやPDFにも対応しています。

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