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新人、集合研修で「伝説」を作るシステム開発プロジェクトの現場から(21)(1/3 ページ)

開発現場は日々の仕事の場であるとともに、学びの場でもある。先輩エンジニアが過去に直面した困難の数々、そこから学んだスキルや考え方を紹介する。

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緊張気味の新人を救った、先輩たちの自己紹介

 こんにちは、檜山です。今回は新人研修についてお話しします。

 3年前の6月。私たちの新人研修が始まりました。

 初日。周りには、妙にピタッとしたスーツの男子や、首からチェーンで眼鏡を下げている女子がいて、なんだか攻撃的な雰囲気の人が多いなあ、と勝手に気後れ。

 そんな雰囲気の中、研修担当の先輩方の自己紹介。緊張気味の私たちを前に、まずは先輩Oさん。

 「え〜。私は、かくかくしかじか……」(突然、某焼酎のCMソングを歌う。最後まで真顔)

 何の脈絡もなく突然歌い出した先輩に、みんな大笑い。雰囲気も一気に和やかになりました。この後も機転の効いた自己紹介が続き、私はすっかり引き込まれました。まさに自分が思っていたとおりの会社だなと。

 宴会部長にあこがれていたわけではありません。仕事を(この場合は研修を)楽しくやろうという姿勢の先輩ばかりだということがうれしかったのです。

新人いろいろ

 いざ研修に入ると、先輩方はやはりすごく、「エクセレント エクセラー」(Excellent Exceler、造語)と尊敬の念(あるいは ただの駄じゃれ)を込めて呼ばれる Excelのショートカットマスター(マウスをいっさい使わずにキーボードだけでエクセルを操作できる。当時は神様級の扱い)や、 プレゼンが分かりやすく、笑いを取り、聞く側を引き込む先輩などがいました。

 そんな素晴らしい先輩たちに世話を焼かせたのがわれわれ新人。

 研修が始まって間もないころのディスカッションでは 白熱のあまり

 「もういいよ。黙って」

 「そっちこそ、黙れ」

と、小学生のようないい合いを繰り広げる新人を前に、天を仰ぐ先輩。

 前日アナウンスがあったにもかかわらず、ビジネスマナー講義(By外部講師)の日にカメレオンみたいな真緑のセーターで出社し、講師から速攻で注意を受ける新人(私です)に、顔を引きつらせる先輩。

 プレゼンの最中、「ぼくは(同期の)○○さんが好きです」と愛の告白をする新人に、あ然とする先輩。

 後輩ができたいまの立場で考えると、私たちはずいぶんと問題の多い新人だったと思います。でも当時は、 先輩方のポイントを押さえた指導の下、かなり伸び伸びとした研修時代を過ごしていました。

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