デル 日本/アジア太平洋地域 エンタープライズ事業統括バイスプレジデントのフィリップ・デイビス氏は12月4日、国内の報道関係者に対して、IT運用コストの低減に注力する同社の企業向け戦略を説明した。
同社のエンタープライズ市場における2008年度の売り上げは610億ドル。x86サーバベンダ出荷台数は世界で2番目で、サービスビジネスも60億ドルに達するという。
デルが注目するのは企業のIT支出の70%を占めるとされるメンテナンスコスト。サーバ仮想化を活用してハードウェアのコストを最大50%削減し、管理機能を用いてデスクトップPCを最大42%減らすとともに、サーバの更新サイクルを短縮化することで、最新製品のエネルギー効率やスペース効率を生かして運用コストを引き下げることを企業に提案していくという。
特にサーバ仮想化は、コスト削減の強力な武器だとデイビス氏は話した。同社はdell.comのために2万台のサーバを運用してきたが、2009年第1四半期までに8000台以上を仮想化する。これに効率の高いハードウェアへの入れ替えを合わせ、年率100万ドルのペースで経費を削減しているという。
サーバではプロセッサだけでなくメモリ、I/Oが重要だとし、仮想化に適したサーバ機を提供しているとデイビス氏は話した。また、「企業は平均でストレージにトータルコストの40%を使っている」といい、シンプル、高い管理性能、妥当な価格の3つの要素をすべて満たす製品を提供していくという。
ストレージ事業で同社が注目する具体的なテーマは集約化、ストレージ接続技術の統一化、管理の自動化など。「特にデータ重複排除はコスト削減に大幅に寄与する」(デイビス氏)
デイビス氏はデルが数年のうちに主要ストレージベンダに成長したことを強調。ガートナーのミッドレンジストレージ市場に関するMagic Quadrantではポジションを急速に向上しており、今年10月にはシステムベンダで最高のポジションを獲得していると胸を張った。
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