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VMware Infrastructure 3のストレージ機構[3]VMware Infrastructure 3徹底入門 実践編(11)(3/4 ページ)

連載「VMware Infrastructure 3徹底入門」では、VMware Infrastructure 3のコンセプトやアーキテクチャといった、いわば理論的な部分を紹介した。新連載の「VMware Infrastructure 3徹底入門 実践編」では、実際の設計から導入、運用までを紹介する。今回はVI3環境におけるストレージ構成に関する3回にわたる解説の第3回として、NFSによるNASの利用や、各種ストレージ方式の使い分けについて解説する

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Raw Device Mapping

 仮想マシンのディスクはデータストア上のファイルとして構成される。通常はこの利用方法で何ら不都合はないが、場合によっては仮想マシンからLUNに直接アクセスさせたい場合もある。例えば以下のような場合にはLUNへの直接アクセスが必要になる。

  • MSCSのような、一般的なクラスタリングソフトウェアを仮想マシン上で動作させたい
  • ストレージアレイ装置の保有するスナップショット機能を用いてLUNのスナップショットを取得し、それをバックアップサーバなどの別の物理マシンからマウントして利用したい
  • 仮想マシン上で動作するアプリケーションから、直接SCSIの制御コマンドを発行し、ストレージアレイ装置の制御を行いたい

 このような場合には、「Raw Device Mapping」(以下RDMと略記)と呼ばれる機能を用いることで、仮想マシンからLUNへの直接アクセスを実現することができる。RDMはFC SANもしくはiSCSI SAN上のLUNに対してのみ利用可能な機能である。

図9 Raw Device Mapping ―  仮想マシンからLUNに直接アクセス
図9 Raw Device Mapping ― 仮想マシンからLUNに直接アクセス

RDMの仕組み

 ではRDMはどのように実現されているのかを見てみよう。まず普通のVMFSがある。この中に「マッピングファイル」と呼ばれる構成ファイルを作成する。

 マッピングファイルにはRDMで利用するRaw LUNの情報が記述されている。仮想マシンからのRead/Writeは、このマッピングファイルの情報に基づいてRaw LUNにリダイレクトされる。

図10 RDMの動作する仕組み
図10 RDMの動作する仕組み

RDMの構成モード

 RDMには2種類の構成モードがある。「仮想互換モード」と「物理互換モード」である。

 仮想互換モードでは、マップされているRaw LUNに対しても仮想化レイヤが仲介してI/Oをハンドリングする。このため、仮想マシンのさまざまな利点をそのまま享受することが可能である。例えば仮想マシンのスナップショット機能やVCBといった機能を、VMDKファイルを用いているときと同様に活用することができる。

 物理互換モードでは、マップされているRaw LUNに対して最低限の仮想化しか行われない。このため仮想マシンのスナップショット機能やVCBなどが利用できなくなる。一方で、基本的に全てのSCSIコマンドが、マップされているLUNとの間でパススルーされるため、SCSIコマンドレベルでストレージを制御するツールなどを仮想マシン上で利用したい場合などにも対応することができる。なお「REPORT LUNs」コマンドだけは例外で、仮想化レイヤが仲介し、その仮想マシンに構成されたLUNだけが報告されるようになっている。

 以下の表は、通常のVMDKファイル、RDM仮想互換モード、RDM物理互換モードのそれぞれについて、できることとできないことをまとめたものである。

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