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第3回 Hyper-Vライブ・マイグレーションの構築手順Hyper-V 2.0実践ライブ・マイグレーション術(2/5 ページ)

ライブ・マイグレーションの構築手順を、システム構築から各種設定まで解説。マイグレーションにかかる時間も計測した。

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環境構築の流れ

 構築の流れを簡単に説明しておこう。作業内容を大まかに分類すると次のようになる。

Step.1 親パーティションのOSセットアップ
Step.2 Hyper-V 2.0のセットアップ
Step.3 WSFCのセットアップ
Step.4 CSVのセットアップ
Step.5 仮想マシンの作成


 なお、ドメイン・コントローラやDNSなどのActive Directory環境はあらかじめ準備されているものとする。

 所要時間は多めに見て丸一日と見積もった方がよい。時間がかかるOSインストールなどは、複数のノードで作業を並行して進めるとよい。

Step.1 親パーティションのOSセットアップ

 最初に、Hyper-Vホストとして利用する2つのサーバに対して、親パーティションとなるWindows Server 2008 R2をインストールする。ライブ・マイグレーション自体は、仮想化ソフトウェア単体で無償配布されているHyper-V Server 2008 R2でも利用できるが、Windows Server 2008 R2とは勝手が多少異なる。実運用への導入を検討しているのであれば、テストにおいてもWindows Server 2008 R2のEnterpriseやDatacenterの評価版を利用しておいた方が効果的だろう。

 ベンダ製のサーバ・マシンを利用する場合、OSインストールをアシストするCD(例:HP SmartStart)が提供されているかどうかをベンダに確認しておきたい。こういったアシストCDを利用すると、そのサーバに最適化されたデバイス・ドライバも同時にインストールしてくれるためだ。OSメディアにあらかじめ含まれているデバイス・ドライバは古かったり、チューニングなどの最適化が行われていなかったりするものが多く、そのまま使い続けると思わぬトラブルを招くことがある。

 また、Window Server 2008 R2では、「通常インストール(フル・インストール)」と「Server Coreインストール」が選べるが、こちらはどちらでも構わない。Server Coreはセキュリティの向上や、パッチ適用回数の削減を期待できる半面、初期設定のハードルが高いことやサード・パーティ製品のサポートが制限される場合がある。しかしながら、管理自体はリモートから行えるためServer Coreに挑戦してみるのもよいかもしれない。

 インストールが完了したら、コンピュータ名やIPアドレス、ドメインへの参加などの初期設定を行おう。

Step.2 Hyper-V 2.0のセットアップ

 OSのセットアップが一通り完了したら、Hyper-Vをインストールする。インストール作業は、役割の追加ウィザードから「Hyper-V」を選ぶだけだ。

 Hyper-Vのインストールが完了したら、Hyper-Vマネージャで「仮想ネットワーク マネージャー」を開く。ここで表示される「仮想ネットワーク」の名前を、各ノード間で統一しておこう。ノード間で名前が異なると、ライブ・マイグレーション後に仮想マシンの通信ができない。


仮想ネットワーク・マネージャの画面
仮想ネットワークの名前は、必ずノード間で統一しておこう。
  (1)仮想ネットワークの名前を統一しておく。

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