最終回 Windows OSで作るVPNサーバ:在宅勤務を実現するリモート・アクセスVPN構築術(4/8 ページ)
今回はServer 2008 R2でVPNサーバを構築してみよう。SSTPやIKEv2などに必要な証明書サービスの導入方法も紹介。
以上でサーバ証明書の作成とイントールが完了したが、証明書は実際にはデフォルトの場所(ユーザー向けのストア)に格納されているだけである。VPN接続するためには、これをコンピュータ全体に対するストアにも格納する必要がある。このためには、証明書管理コンソールを利用する。
まずMMCを起動し、「証明書」スナップインを追加する。
証明書スナップインの追加
MMC管理コンソールを起動し、[ファイル]メニューの[スナップインの追加と削除]で、「証明書」スナップインを「2つ」追加する。1つはユーザー・アカウントに対するスナップイン、もう1つはコンピュータ・アカウントに対するスナップインである。
(1)これを選択する。
(2)スナップインを選択後、これをクリックする。この操作を後でもう1回行うこと。
(2)の[追加]ボタンをクリックすると、次のような画面が表示されるので、まずは「ユーザー アカウント」を選択して[完了]をクリックする。そしてもう1度証明書スナップインを追加し、今度は「コンピューター アカウント」を選んで追加する。
証明書スナップインの管理対象
証明書スナップインで管理する対象を選択する。
(1)最初の追加では、これを選ぶ。
(2)2つめのスナップインの追加では、こちらを選ぶこと。これを選んで[完了]をクリックすると、対象となるコンピュータの選択ダイアログが表示されるので、「ローカル コンピューター」を選択しておく。
証明書スナップインを2つ追加すると、次のようになっているはずである。
2つの証明書スナップイン
証明書スナップインを2つ追加したところ。管理対象が「現在のユーザー」と「ローカル コンピューター」となっている。
(1)現在ログオン中のユーザー・アカウントの証明書を管理するスナップイン。
(2)ローカル・コンピュータの証明書を管理するスナップイン。
上の画面で[OK]をクリックすると、証明書管理コンソールが表示されるので、現在のユーザーの個人用ストアにあるサーバ証明書を、ローカル・コンピュータ・ストアに移動(コピー)する。まず[証明書 - 現在のユーザー]ツリーで[個人]−[証明書]を選択する。するとそこに登録されている証明書が一覧表示されるので、先ほど登録された「vpnserver1.example.jp」というサーバ証明書を右クリックし、エクスポートする。
サーバ証明書の移動
個人用ストアに登録されているサーバ証明書を、ローカル・コンピュータ・ストアにも登録する。
(1)ユーザー用の証明書。
(2)[個人]−[証明書]を選択する。
(3)先ほど登録されたサーバ証明書。これを右クリックする。
(4)これを選択する。
(5)これを選択して、エクスポートする。
(6)ローカル・コンピュータ・ストア。
(7)ここに登録する。
(8)いったんエクスポートしてから、インポートする。
[エクスポート]を実行すると、エクスポート・ウィザードが起動するので、エクスポート方法や種類、エクスポート先のファイル名などを指定する。
この次の画面ではエクスポートするファイルの形式を選択するが、デフォルトの「Personal Information Exchange (PFX)」タイプのまま、先へ進める。さらに次の画面ではエクスポートしたファイルを保護するためのパスワードの入力を求められるので、適当なパスワードを指定しておく(このパスワードは、後でインポートする場合に必要になる)。その次の画面ではエクスポート先のファイル名を指定する。
エクスポートするファイル名
この画面では、エクスポートする先のファイル名を指定する。すぐにインポートし直すので、ローカル・コンピュータ上の適当な場所へ保存すればよい。
(1)エクスポート先のファイル名。
エクスポートが完了したら、次はローカル・コンピュータ・ストアにインポートする。そのためには、証明書管理ツールで[証明書 (ローカル コンピューター)]ツリーから[個人]−[証明書]を選択し、そこにインポートする。
証明書のインポート
さきほどエクスポートしたサーバ証明書を別の場所にインポートする。
(1)「証明書 (ローカル コンピューター)」を選択する。
(2)ここを選んで右クリックする。
(3)これを選択する。
(4)[インポート]を選択する。
[インポート]メニューを実行すると、証明書のインポート・ウィザードが起動するので、インポートするファイル名(先ほどエクスポートしたものを指すこと。ファイル・タイプは「Personal Information Exchange (PFX)」を選択しておく)やパスワード、格納先(デフォルトの設定のままでよい)を指定して、ウィザードを実行する。正しくインポートが完了すると、次のようになっているはずである。
長い手順であったが、以上でサーバ証明書の作成や登録作業は終了である。次はRRASサービスをインストールする。
Copyright© Digital Advantage Corp. All Rights Reserved.