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ネットワークスペシャリスト試験(Systems Architect Examination)@IT自分戦略研究所 資格辞典

ITエンジニアに必要な各種資格情報を解説する「@IT自分戦略研究所 資格辞典」。今回は、IPAが実施する情報処理技術者試験の「高度試験」9区分のうちの一つ「ネットワークスペシャリスト試験」を紹介する。

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概要

 ネットワークスペシャリスト試験は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が行う「情報処理技術者試験」の一つ。経済産業大臣が認定する国家試験である。

 情報処理技術者試験は、IT利用者向けの「ITパスポート試験」と「情報セキュリティマネジメント試験」、情報処理技術者向けの基本知識や技能を問う「基本情報技術者試験」、応用知識や技能を問う「応用情報技術者試験」、そして9つの専門分野別に高度な知識や技能を問う「高度試験(下図ピンク色の部分)」の計12区分から構成されている。


情報処理技術者試験の試験区分(出典:情報処理技術者試験 試験区分一覧

 ネットワークスペシャリスト試験は高度な知識を問う高度試験の一つ。

 高度IT人材(※)として確立した専門分野を持っているか、ネットワーク技術を活用して情報システム基盤の企画や要件定義、開発、運用、保守で中心的な役割を果たせるか、専門家として情報システムの企画や要件定義、開発、運用、保守への技術支援を行えるか、が問われる。

高度IT人材:経済産業省が定義する「構造変化に対応し、変革にリードできるIT人材」の総称。企業の経営課題に高付加価値を生むIT戦略を構築する「基本戦略系人材」、高品質のシステム構築や運用を担う「ソリューション系人材」、ITを活用して新たな製品や仕組みを生み出す「クリエーション系人材」の三つに分類される。

 試験は「午前1(50分)」+「午前2(40分)」+「午後1(90分)」+「午後2(120分)」の計300分。年に1回、10月の第3日曜日に実施する。受験料は5700円(税込み)。

試験の形式・内容

午前の出題範囲


午前の出題範囲(出典:情報処理技術者試験 試験要項 Ver2.1

 「午前1(50分)」と「午前2(40分)」に分かれている。

 午前1は高度試験共通で、「応用情報技術者試験に合格する」「いずれかの高度試験に合格する」「いずれかの高度試験の午前1試験で基準点以上の成績を得る」のいずれかであれば、その後2年間免除される。

 問題は午前1、午前2とも四肢択一の多肢選択式。午前1(30問)+午前2(25問)の計55問。共に100点満点。

 試験範囲は、午前1は左記表全般。午前2は下記項目の専門知識が問われる。

・テクノロジ系>コンピューターシステム>コンピューター構成要素
・テクノロジ系>コンピューターシステム>システム構成要素
・テクノロジ系>技術要素>ネットワーク>
・テクノロジ系>技術要素>セキュリティ
・テクノロジ系>開発技術>システム開発技術
・テクノロジ系>開発技術>ソフトウエア開発管理技術

午後の出題範囲

 「午後1(90分)」と「午後2(120分)」に分かれている。

 午後1、午後2ともに記述式で、午後1は出題3問のうち2問に、午後2は出題2問のうち1問に解答する。

 試験範囲は以下の通り。

1 ネットワークシステムの企画・要件定義・開発に関すること

ネットワークシステムの要求分析、論理設計、物理設計、信頼性設計、性能設計、セキュリティ設計、アドレス設計、運用設計、インプリメンテーション、テスト、移行、評価(性能、信頼性、品質、経済性他)、改善提案など


2 ネットワークシステムの運用・保守に関すること

ネットワークシステムの運用・保守、セキュリティ管理・体制など


3 ネットワーク技術・関連法規・標準に関すること

ネットワークシステムの構成技術、トラフィックに関する技術、セキュリティ技術、信頼性設計技術、符号化・データ伝送技術、ネットワーク関連法規および倫理、ネットワークに関する国内・国際標準およびその他規格など


4 ネットワークサービス活用に関すること

市場で実現している、または実現しつつある各種ネットワークサービスの利用技術、評価技術および現行システムからの移行技術など


5 ネットワーク・アプリケーション技術に関すること

電子メール、ファイル転送、Web アクセス技術、アプリケーション間通信、コンテンツ配信など


出典:情報処理技術者試験 試験要項 Ver2.1

合格基準

 午前1、午前2、午後1、午後2の得点が全て60点以上(100点満点)であること。

 なお、午前1試験の得点が基準点に達しない場合は、午前2、午後1、午後2試験の採点を行わずに不合格とされる。同様に、午前2試験の得点が基準点に達しない場合は、午後1、午後2試験の採点を行わずに不合格とされる。

合格率

 合格率は14.6%(平成27年度実績)。

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