初心者のためのLT作成講座――5分で収まるスライドを作る3つのTips:達人ライトニングトーカーへの道(2)(1/2 ページ)
ライトニングトークをすると、これまで得られなかった気付きやノウハウを得られる。コミュニティとLTをこよなく愛するエンジニアによる「LT」解説
前回のまとめ
こんにちは。「ライトニングトークをしてコミュニティライフを楽しもう!」という連載、第2回です。本連載の目的については、第1回「初心者のためのLT作成講座――まずは構成を練る」をご確認ください。
さて、前回は、LTに必要な4ステップを紹介しました。
- 構想
- 準備←
- 練習
- 本番の発表
今回も引き続き「闇アジャイラー」のLTを例に取ってLTの作り方を解説します。今回のテーマ「準備」。
完成したLTのスライド「闇アジャイラーvs光アジャイラーforDevLOVE(EnergizedWorkLT祭)」を実際に見ながら、読んでいただければ幸いです。
●さくっとおさえておきたい前提
- 2010年に、DevLOVEのイベントでLTを行った
- LTのテーマは「Energized Work(いきいきと働く、という意)」
- LT希望者が多かったため、5分ではなく3分でのLT
●資料と当日の動画
[Slide]闇アジャイラーvs光アジャイラー
forDevLOVE(EnergizedWorkLT祭)
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
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2ndステップ:LTの準備――いよいよスライド作成
構想を固めたら、いよいよスライド作りを始めます。
私の場合、スライドはPowerpointを使って作成します。Powerpointを使う理由……それは「なんだかんだと言って使い慣れている」という一言につきます。他にも、
- Officeのソフトウェアなので、基本的な操作で困らない
- 分からないことがあっても、解決策を予想しやすい
- 周囲にいる「パワポの達人」を頼れる(いない場合は書籍かWebで!)
というメリットがあります。グラフやチャートについても、“みんなが大好き!”Excelで作って手軽に貼り付けられます。
あくまで感覚値ですが、他のツールと比べてみても図やテキストのレイアウト崩れが少ない気がします。最近のバージョンであればPDFへの変換機能を標準搭載しているので、後でSlideshareなどで共有するときに便利です。
賛否両論が分かれるリボンUIについては、慣れると「コタツにいながらにして、部屋の中のすべてのものに手が届く」心地良さがありますが、使いやすさや他のツールとの比較については別途、紹介したいと思います。
すべてのアウトプットには「これ以上は削れない」というコアがある
通常、LTの持ち時間は5分ですが、このイベントでは諸事情により「1人3分」になりました。ここに技術的課題が生まれます。
あるメッセージを伝えるためには、“聞き手に納得感を与え”、かつ“内容を理解してもらう”だけの情報量が必要です。50分の講演でも5分のLTでも、「もうこれ以上は削れない!」という情報量は基本的に変わりません。LTという1つの物語を成立させるためのコアといってもいいでしょう。
ちなみに、私はこのLTで、下記の内容をアピールする予定でした。
- Energizedな仕事をするためには、最低限必要なマネジメント技能がある
- 間違ったマネジメント(無計画なプロジェクト運営をアジャイルと言い張るような方法)のどこが駄目か
- しっかり現実&現場の人を見て、マネジメントしよう
結構盛りだくさんですね。50分ならある程度の余裕がありますが、3分という時間制限の中で「コアの情報量を確保」するのはなかなか困難です。そのため、いくつかのテクニックを用いました。
- タイトルを内容に含めてしまう
- 自己紹介は省略
- 図を多用し、とにかく説明する言葉を減らす
もちろん、通常のLTはきちんと5分ありますが、5分で収まり切らないことも結構あります。このテクニック、LTはもちろん仕事のプレゼンや勉強会での発表などにも使えるので、知っておいて損はありません!
●1.タイトルを内容に含めてしまう
闇アジャイラーのスライドでは、タイトルが話の一部(11ページ目)として登場します。
通常のプレゼンテーションでは、「タイトルページ→自己紹介→本編」という流れが一般的です。このスタイルは丁寧でいいのですが、タイトルページでメイントピックを説明してから本編に入るため、時間をかけすぎるとテンポが悪くなり、話しづらくなるというデメリットがあります。
そもそもタイトルとは、プレゼンテーション全体を一言で表現したものです。ある意味、最も伝えたいこと、つまりプレゼンのテーマなわけです。
この最も伝えたいメッセージを、最初だけに出すのはもったいないことです。最初にちょっと出てきただけでは、テーマ自体が忘れられてしまいかねません。そのため、あえてタイトルを説明の途中に入れてみる、というテクニックがあります。
「タイトルは最初に説明せねば」という固定概念を思い切って捨ててみるとよいかもしれません。
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