バックエンドにも対応できるエンジニアの単価が高い ギークス「ITフリーランス案件倍率レポート」:狙い目はDXと生成AI、具体的にどんな案件?
ギークスは、2024年10〜12月の案件倍率をまとめた「ITフリーランス案件倍率レポート」を発表した。案件数と、案件を探すフリーランスのどちらも2023年同期より増え、案件倍率は四半期累計で9.63倍だった。
ギークスは2025年2月12日、2024年10〜12月の案件倍率をまとめた「ITフリーランス案件倍率レポート」を発表した。ここで言う案件倍率とは、案件を探すフリーランスの人数に対する案件数の割合のこと。レポートによると2024年10月の案件は9.99倍、11月は10.15倍、12月は8.79倍だった。
DXや生成AIに関する案件が引き続き増加、具体的には?
レポートによると、2024年第4四半期の累計案件数は2023年同期と比べて2%増加した。ギークスによると、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の動きが強まっており、生成AI(人工知能)を活用した対話型AIチャットサービスや音声予約システムなどの案件が増えている。
企業が求めるスキル(プログラミング言語)の上位は「Python」や「TypeScript」。特にTypeScriptについては、Webサービスやアプリの操作画面といったフロントエンドに加え、(Node.jsを活用して)バックエンドにも対応できるエンジニアの単価が上昇する傾向にあるという。
案件を探すフリーランスの累計数は、2023年同期比で16%増。ギークスによると「技術力に加えて、ビジネス的な視点やチーム内での柔軟なコミュニケーション能力が求められている。特にプロジェクト全体を俯瞰(ふかん)し、課題解決に積極的に取り組む姿勢を持つフリーランスが高く評価される傾向にある」と分析している。
2025年1〜3月の案件数については、年度末に向けた人材確保や新規プロジェクトの立ち上げが進むため、1〜2月は横ばい、3月以降は案件が増加するとギークスはみている。案件については、DX推進や生成AI活用に関するものが引き続き増える見込み。また、AWS(Amazon Web Services)エンジニアなどが参画するクラウド最適化のプロジェクトが伸びるとギークスは予測している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「フリーランスになろうと思っていたけど諦めた」 スキルでも報酬でもない、トップの理由とは?
レバテックは、フリーランス転向に関する意識調査の結果を発表した。それによると、約3割の人がフリーランスへの転向を検討したことがあるものの、そのうち1割はフリーランスになることを断念したことが分かった。約2割の企業が「フリーランス新法施行後も契約書を作成していない」何が課題なのか? インフォマート調査
インフォマートは「フリーランス新法」に関する実態調査の結果を発表した。この調査は、フリーランスと取引している20〜50歳代の会社員を対象に実施し、347人から有効回答を得た。それによると7割以上がフリーランス新法を認識しており、約9割が施行後のトラブル減少を期待していることが分かった。「システムはLLMが前提に」――LayerX CTO松本氏が語る、生成AIがシステムにもたらす変化 「AIエージェントがSaaSを操作する時代」に危機感を募らせる理由
生成AIの進化は、ビジネスと同義となっているシステムの在り方をどう変化させていくのか。ブログやコミュニティー活動を通じて「システムはLLMが前提に」と情報発信しているLayerX CTOの松本勇気氏に、話を聞いた。