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開発者が知らないと残念過ぎるAndroid 4.1の新機能36選Androidで動く携帯Javaアプリ作成入門(33)(3/4 ページ)

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より細かい制御が可能なメディア系機能

【15】メディアコーデックアクセス

 4.1では、プラットフォームのハードウェアとソフトウェアのコーデックへの低レベルアクセスを提供します。どのような低レベルのメディアコーデックがデバイス上で利用可能であるかを検出し、アプリが必要とする方法でそれらを使えるように、システムに照会できます。

 例えば、メディアコーデックの複数のインスタンスを作成するキューの入力バッファ、および戻り値に出力バッファを受け取ることができます。またメディアコーデックフレームワークでは、保護されたコンテンツをサポートしています。アプリがデバイス上で利用できるDRMソリューションで保護されたコンテンツを再生するために利用可能なコーデックを問い合わせ可能です。

【16】オーディオ録音トリガ

 オーディオ再生トラックの完了に基づいて、オーディオの録音をトリガにできます。これは、ユーザーがキュートーンを再生して自分の声を録音するようなケースで便利です。この機能を利用すると、録音を最適なタイミングで開始できます。

【17】マルチチャネルオーディオ

 4.1では、HDMIポートを介してデバイス上のマルチチャネルオーディオをサポートしています。マルチチャネルオーディオは、ゲーム、音楽アプリ、動画プレイヤーのようなアプリでユーザーにリッチなメディア体験を提供できます。サポートされているハードウェアを持たないデバイスでは、Androidは自動的にデバイス(通常はステレオ)でサポートされているチャネル数にダウンミックスします。

 また、エンコード・デコードのためのAAC 5.1チャネルオーディオをサポートするビルドインが追加されました。

【18】オーディオ事前処理

 開発者は音声録音の品質向上のためのノイズ除去、エコーキャンセル、ボリュームレベル調整のための自動音量調節などのオーディオ事前処理を適用できます。高音質でクリーンなオーディオ録音を必要とするアプリは、これらの事前処理の恩恵を受けられます。

【19】オーディオ連結

 MediaPlayerクラスは一時停止せずにオーディオファイルを再生するために一連の連結オーディオストリームをサポートしています。これは、音楽プレイヤーなどのオーディオファイル間のシームレスな遷移や連続するトラックをゲームやアルバムとして再生するために必要なアプリで便利です。

【20】メディアルータ

 MediaRouter、MediaRouteActionProvider、MediaRouteButtonの新しいAPIは、メディアを再生する場所を選択するための標準メカニズムやUIを提供します。有線ヘッドセットとA2DP Bluetoothヘッドセットとスピーカーをサポートするビルドインを持ち、開発者のアプリ内で独自のルーティングオプションを追加できます。

より多機能になったNFC/ネットワーク系機能

【21】Bluetoothも使えるようになった「Androidビーム」

 「Androidビーム」は、4.0から登場した人気のNFCベースの技術です。2つのNFC対応Android端末が接触することで情報を即座に共有できます。

 4.1では、Androidビームを使用すると、連絡先、Webページ、YouTubeビデオ、方向、アプリを共有できます。加えて、タップで写真やビデオを共有できます。ちょうど2台のNFCを有効にしたAndroidデバイスを背中合わせにし、画面上の任意の情報をタッチするといった具合です。

 また、Android端末とSSP(Simple Secure Pairing)をサポートする、ヘッドセットやスピーカーのようなBluetoothデバイスと簡単にペアリングできます。同期や検索は必要ありません。

 4.1では、データ転送用のBluetoothを活用することで、画像や動画など大容量のファイルを共有できます。ユーザーがデータを転送するときをトリガにして、NFCからBluetoothを経由して他のデバイスへファイル転送を行うので、管理も容易です。

【22】Wi-Fiネットワークサービス検出

 Android 4.1のアプリは、モバイル端末、プリンタ、カメラ、メディアプレイヤーなどWi-Fiネットワーク上のデバイスによって提供されるサービスを見つけて接続できます。マルチキャストDNSベースでサービスを発見できる機能が導入されました。

 他のDNS対応デバイスは、任意の種類の「サービス」を作成して登録できるので、開発者はサービス発見用のAPIを使用して、それらを発見できます。サービスは、人間が読める文字列の識別子を使用してネットワーク経由でマルチキャストで通知します。これにより、ユーザーは簡単にサービスの種類を識別できます。

 コンシューマ向けデバイスでは、ローカルのWi-Fiネットワークに接続されたデバイスから利用可能なサービスをスキャンし、発見するためのAPIを使えます。発見した後は、ソケット接続を確立できるようにIPアドレスとポートをサービスに問い合わせるためのAPIも使えます。

 開発者はアプリに新しい機能を構築するために、これらのAPIを使えます。例えば、Webカメラ、プリンタ、またはWi-FiでPtoP接続をサポートしている他のモバイル端末上のアプリに接続することも可能です。

【23】「Wi-Fiダイレクト」サービス検出

 4.0では、高帯域幅のPtoP接続を介して直接Android端末を発見し接続できる「Wi-Fiダイレクト」という機能が導入されました。Wi-Fiダイレクトは、モバイルネットワークがなくてもWi-Fiが利用可能な場合に、メディア、写真、ファイル、および他の種類のデータを共有できます。

 4.1では、Androidは事前に関連するサービスを発見するためのAPIサポートを追加しました。これにより、Android端末が接続しようとする前に、それらがサポートするサービスについて、付近のデバイスからより有用な情報を得られます。特定のサービスの検出をする場合、発見されたサービスや、実際にアプリをサポートするサービスのリストをフィルタリングできます。

 これは例えば、開発者のアプリがプリンタまたは利用可能な特定のゲームを持つサービスではなく、すべての近くのWi-Fiダイレクトデバイスを発見できることを意味します。一方、開発者のアプリは発見したサービスに接続を要求し、他のデバイスのサービスを宣伝可能です。これにより、ユーザーの検出とペアリングを簡素化し、より効果的にWi-Fiダイレクトを活用できます。

 Wi-Fiダイレクトサービス検出により開発者は、インターネットとモバイルネットワークへの接続を必要としない、写真、動画、ゲームプレイ、スコアなどを共有するアプリやマルチプレイヤーゲームを作成できます。

【24】ネットワーク帯域管理

 4.1では、デバイスがモバイルホットスポットへのデザリングを含む、従量制ネットワークに接続されているときに、適切にデータの使用状況を管理できます。現在のネットワークが、ユーザーにとって比較的高価であるかもしれない大容量ダウンロードを開始する前に計量されているかどうかを照会できます。

 開発者は、APIを介して現在のネットワークはデータ通信がセンシティブであることを明確に把握でき、ネットワーク通信量の管理が行えます。

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