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ロボットも日本の国技に! 25年目の高専ロボコンUXClip(12)(2/4 ページ)

今年のテーマは「ベスト・ペット」。高専生の自由なアイデアが爆発した。ついに25年目を迎えた、日本のものづくりセンスが溢れた大会をレポート

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「他人が作らないものを作りたい!」 爆発する高専マインド

伝説の名ロボットStar King(奈良高専)

 今年は高専ロボコン25周年ということで、歴代のチャンピオンロボットに対する「ベスト・オブ・ロボコン大賞」投票も行われた。見事1位に輝いたのは、第14回「スペースフライヤー」大会(30枚のディスクを輪投げのように穴に投げ入れるルールで競われた)の優勝ロボStar King(奈良高専)だ。(94年高専ロボコン「スペースフライヤー」全国大会出場ロボットデータ

 このロボット、奈良高専にそのまま動体保存され、今も稼働する。1994年製、ほぼ20年前のロボットである。Linuxの最初のカーネルが1991年、最初のWebブラウザMosaicの誕生が1993年、インターネット時代の今から見たら信じられないほど昔の機械だ。

 Star Kingの動きの美しさは語り草になっていて、今回のロボコンに出場していた「たこの八っちゃん」(鳥羽商船高校)のボール射出機構は、14年前のStar Kingに触発されて開発したという。

 当時の開発者によりデモが行われ、見事な放物線を描いてディスクが射出された。


Star Kingを動かす、開発者の奈良高専OB。かつてのチャンピオンである!

 開発者の奈良高専OB3名は、もちろん今もエンジニアとして活躍している(残念ながら1名は海外出張中で欠席され、当日は2名のみが参加)。かつてのチャンピオンは、今年のロボコンについてこう語った。

 「アイデアを思い付き、どうやって作るかを設計し、実装して競技することは、実際の開発そのもの。ロボコンを通じて、試合以外でも常に情報を集める癖がつき、その後の人生にすごく役立っている。

 アイデア出しでは、2人以上アイデアがカブったら、そのアイデアはまず捨てた。他の人が絶対に作らないものを作りたい、と考えながら作っていた。

 当時と今ではロボットも技術も様変わりしたが、高専のどこかアホなノリは何も変わらない」

 「高専のどこかアホなノリ」と例えられたアイデアの爆発は、今回のロボコンでもいかんなく発揮されていた。今回のロボコンでも、各高専ごとにユニフォームやヘルメットなどを用意しているのだが、そこでもノリの一端がうかがえる。


グンマーネタ満載でインターネット好きの聴衆から喝采を浴びていた群馬高専

風を吹いてボールを集めるサソリロボ すこ→ぴおんず(大阪府大高専)

 アイデア賞に輝いたすこ→ぴおんず(大阪府大高専)は、全自動で動作するロボットだ。まずロボットがボールを回収する回収ロボットとゴールを狙う発射ロボットに分離する。


分離型ロボ すこ→ぴおんず。奥の目の付いている方が発射ロボ、手前が回収ロボ (写真:NHK)

 回収ロボットがボールの反対側まで移動して、風を吹かせてボールを転がし、射出ロボットのそばに集める。発射ロボはサソリの尾を模した9本のアームをゴール寸前まで延ばし、ボールを投げ入れる。

 ロボットが歩き回るのでなく、風でボールの方を動かして集めるアイデアは、どの高専とも重複しなかった。人間が操作しない全自動ロボで挑んだこともオリジナリティがある。

犬笛でロボットを制御 クジャクがモチーフのQ.J(阿南高専)

 クジャクがモチーフのQ.J(阿南高専)は、犬笛で制御するロボットだ。


犬笛で操作するクジャク型ロボ。尾羽はホンモノの孔雀を使用している

 人間には聞こえない高い周波数の音を出す犬笛を伴走者が吹く。ロボットには8個のマイクを使ったアレイマイクが構築されていて、雑音を除去して犬笛の音を判別し、どの方向から吹かれたかも判別して人間を追いかける。犬笛の吹き方でコマンドを伝え、さまざまな動作をする。


犬、猿、キジがテーマのロボット。伴走者も桃太郎に扮する ポチとちーちゃんとケン(長野高専)

サイコロ型のマーカーをロボットに見せてコントロール ソウペン一号(津山高専)

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