32bit版Windows OS → 64bit版Windows 8移行ガイド:運用(4/4 ページ)
住み慣れたXP環境をWindows 8に移行するための完全マニュアル。サポート期限切れとなるWindows XPからそろそろWindows 8に移行しよう。
手作業によるデータの移行
Windows 8でも、「\Users」フォルダ以下の構成はWindows VistaやWindows 7とおおむね同じなので、手作業でファイルをコピーする際の考え方は、Windows VistaやWindows 7への移行と似ている。Windows VistaやWindows 7からの移行であれば、対応する同じフォルダ同士でファイルをコピーすればよいし、Windows XPからの移行であれば以下の表を参考にして、対になるフォルダ同士でファイルのコピーを行う。
Windows XP | Windows Vista/7/8 | |
---|---|---|
プロファイルフォルダ | %SystemDrive%\Documents and Settings | %SystemDrive%\Users |
ドキュメント | %UserProfile%\My Documents | %UserProfile%\Documents |
ピクチャ | %UserProfile%\My Pictures | %UserProfile%\Pictures |
ミュージック | %UserProfile%\My Music | %UserProfile%\Music |
%UserProfile%\Application Data | %UserProfile%\AppData\Roaming | |
%UserProfile%\Local Settings | %UserProfile%\Local、%UserProfile%\LocalLow | |
デスクトップ | %UserProfile%\Desktop | %UserProfile%\Desktop |
クイック起動バー | %UserProfile%\Application Data\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch | %UserProfile%\AppData\Roaming\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch |
送る | %UserProfile%\SendTo | %UserProfile%\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\SendTo |
Windows OSごとのフォルダの場所 |
「%UserProfile%\Applicatoin Data」「%UserProfile%\Local Settings」以下のファイル群については、「%UserProfile%\AppData」以下で対応するフォルダを探して、個別にコピーする必要がある。
ファイルのコピーが終わったら、アプリケーション・ソフトウェアのセットアップや設定作業を行う。ソフトウェアによっては、設定ファイルをコピーしたり、設定移行用のツールを実行したりすることで、手間をかけずに設定を移行できる場合もある。
なお、Office 2013では従来とフォルダの使い方が異なっており、「ドキュメント」フォルダ以下にテンプレート用フォルダなどを作成するように仕様が変更されている。こういうケースもあるので、特に最新のアプリケーション・ソフトウェアへの切り替えを伴う場合には、事前の確認が必要だ。
電子メール環境の移行
続いて、電子メール環境の移行について解説する。
Exchange Server、outlook.com(旧Hotmail)、Gmail、Yahoo! メールのいずれかを使用するのであれば、「Windows 8の『メール』はどこまで使えるか?」で解説した内容にそってWindows 8が標準装備する「メール」アプリに切り替えることもできるが、これはどちらかといえば少数派であろう。非常に限定的な機能しか持っておらず、実用性はあまりないからだ。
移行元のコンピュータで、電子メールソフトにOutlook Express(Windows XP)やWindowsメール(Windows Vista)を使用していた場合、Windows Live Essentials 2012に含まれている「Windows Live Mail 2012」に移行するのが現実的だ。ユーザー・インターフェイスに「リボン」を取り入れているなどの変化はあるが、基本機能は従来のWindows Live Mailと同じであり、Outlook Expressと比較しても、さほど違和感はない。
なお、「Windows Live Mail 2012」はPOP3に加えてIMAP4にも対応しているので、これを使ってGmailやoutlook.comにアクセスすることも可能である。
「Windows Live Mail 2012」は、Outlook Express 6、Windows Live Mail、Windowsメールのいずれかからメッセージのインポートが可能である。メッセージ・データ自体のコピーは、前述したWindows転送ツールを利用することもできるし、手作業でエクスポート/インポートが可能だ。
具体的な移行手順については、Outlook Express(Windows XP)、あるいはWindowsメール(Windows Vista)からWindows Live Mailへの移行については、「Outlook Express → Windows Live メール 移行ガイド」を参照されたい。
Windows Live Mail 2012でメッセージをインポートするには、[ファイル]以下の[メッセージのインポート]を、アカウント情報ファイルのインポートは[ファイル]以下の[オプション]−[電子メール アカウント]を、それぞれ選択することで実行できる。
そのほかのアプリケーション環境の整備
Windows Live Mail 2012以外の電子メール・ソフトウェアを使用する場合、あるいは電子メール以外のアプリケーション・ソフトウェアについては、個別にセットアップして環境を構築する必要がある。そこで注意しなければならないのが、64bit版Windows OSにおける32bit版ソフトウェアの動作である。基本的には問題なく動作することが多いが、ときには動作しない、あるいは動作はするが機能制限が加わることも考えられる。そのため、64bit環境における互換性情報については、事前にソフトウェア・ベンダに確認する必要がある。
この辺の事情は、周辺機器についても同様である。x64版のデバイス・ドライバがあるかどうかが問題になるので、ベンダのWebサイトを確認して、最新の64bit版デバイス・ドライバを入手するようにしたい。
なお、移行に際してアップグレード・アシスタントを利用するのであれば、互換性チェックを実行した段階で、ハードウェア/ソフトウェアの互換性については事前の確認が可能である。
おわりに
旧バージョンのWindows OSから移行する際の要領については、Windows 8はWindows 7と比べて大きく変わっていない。アップグレード・アシスタントが加わったのが最大の相違点であり、Windows転送ツールや手作業で移行する分には、Windows 7に移行したときのノウハウを活用できるといえそうだ。
むしろ、Windows 7以上に64bit版の比率が高まると考えられることから、そちらのハードルの方が高くなるのではないだろうか。
「運用」
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