IBM、フラッシュ技術の研究開発に10億ドル投資:速度はHDDの20倍、フラッシュストレージの新製品も
米IBMは4月11日、企業のビッグデータ活用を支援することを目的に、新しいフラッシュ技術の研究開発に10億ドルを投資すると発表した。
米IBMは4月11日、新しいフラッシュ技術の研究開発に10億ドルを投資すると発表した。フラッシュ技術の採用でサーバ、ストレージシステム、ミドルウェア製品の拡充を図り、企業のビッグデータ活用を支援する。
この計画の一環として、日本や中国など世界12カ所にコンピテンシー・センターを開設。顧客が実世界のデータでコンセプト実証実験を行い、IBMのフラッシュ技術で達成されるパフォーマンス向上を測定できるようにするとしている。特にクレジットカード処理、株取引、製造および受注処理システムといったミッションクリティカルなワークロードのパフォーマンス向上を見込んでいる。
また、Texas Memory Systemsから取得した技術をベースとしたフラッシュストレージアプライアンス「IBM FlashSystem」シリーズを併せて発表した。例えば「IBM FlashSystem 820」の場合、ピザボックスほどのサイズながら、HDDの20倍の速度を実現し、24Tバイトまでのデータを保存できるという。
フラッシュメモリではサーバやストレージシステムにおける情報収集の反応時間をミリ秒からマイクロ秒のレベルへと引き上げることができ、回転ディスクに比べて安定性、耐久性、エネルギー効率性も高いとIBMは解説する。
同社の試算によると、フラッシュシステムでは銀行やトレーディング、通信などのアプリケーションでトランザクション時間を最大90%短縮でき、ERPやビジネス分析といったアプリケーションのバッチ処理時間は最大85%短縮、データセンター統合やクラウドデプロイメントのエネルギー消費量は最大で80%の削減が見込めるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- フラッシュストレージ技術はデータベース高速化でどう使われているか
フラッシュ(半導体メモリ)ストレージは、企業におけるデータベースの運用にどのような効果をもたらすだろうか。データベース高速化という目的では、どういう判断基準でどのようなフラッシュストレージ技術が選ばれるのだろうか。 - ストレージ仮想化技術の基礎
サーバをはじめ、さまざまな仮想化技術が注目されるようになってきた。しかしストレージの仮想化はいまひとつイメージしにくく、認識が十分に浸透していないのが現状だ。本連載ではストレージ仮想化技術についての基礎を分かりやすく解説する - IBMのストレージ新ビジョンは具体的に何を意味するのか
- PureSystemsで新ソリューション、日本IBM