DR関連データセンターの立地、関東/甲信越の利用比率が低下:市場は堅調な伸びを示す
IDC Japanが発表した調査結果から、DR関連サービスで利用しているデータセンターの立地については、「関東/甲信越」の利用比率が経年で低下していることが分かった。
IDC Japanは5月16日、2013年の国内マネージドサービス市場における、企業ユーザー調査の結果を発表した。従業員数十人以上の国内企業706社を対象としたこの調査によると、データセンターサービスやマネージドサービスの利用が、災害復旧(DR)対策としての用途を含め、堅調に伸びていることが明らかとなった。
2013年3月に実施した今回の調査は、東日本大震災からの2年間で、ユーザー企業のデータセンターやクラウドサービスの利用に関する意識がどのように変化したかを、経年比較を用いて検証したもの。
その分析の結果、外部データセンターを利用している企業の比率は、今回の調査では約38%と、2012年4月に実施した昨年の調査から約2ポイント増加した。IDCでは「外部データセンターの利用が着実に増加している」としている。ただし、この増加率は、一昨年の調査(2011年4月実施)から昨年の調査までの1年間、つまり、東日本大震災直後の1年間の増加率(約4ポイント)を下回っており、「外部データセンターに対する需要は、震災直後に比べると、やや落ち着いてきている」と指摘している。
DR関連サービスで利用しているデータセンターの立地については、「関東/甲信越」の利用比率が年々低下している。一方で、それ以外の地域では、利用比率が微増している所が多く、東日本大震災後、DR目的でのデータセンターの利用がいくつかの地域に分散して広がっていることが分かったとしている。
IDCによると、ハイブリッドクラウドを導入する意向のある企業に、その適合理由について尋ねたところ、基幹系システムなどでは、「セキュリティ/コンプライアンス要件によるパブリッククラウド/プライベートクラウドの使い分け」との回答が回答企業全体の3〜5割程度を占め、最も多い結果となった。
一方、Webなどの外部向け情報提供システムでは、「需要変動条件によるパブリッククラウド/プライベートクラウドの使い分け」がトップとなった。IDCではこの結果について、「ハイブリッドクラウドを具体的に検討している企業はまだ多くはないものの、目的意識を持ってハイブリッド環境が検討されている様子がうかがえる」と評価している。
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