イメーション、エンタープライズ向けストレージ装置の販売を開始:高密度実装可能で低振動・低発熱が特徴
イメーションは、米Nexsan製ストレージ製品の国内販売を7月中旬に開始する。ストレージ分野にもビジネスを拡大しようとしている同社は、これを機にエンタープライズストレージの分野への進出をもくろむ。
イメーションは2013年7月4日、米Nexsan製ストレージ製品の国内販売を同月中旬に開始すると発表した。Nexsanは、米Imationが2013年1月に買収したストレージ装置メーカー。ImationはこれまでCD-RやDVD-R、磁気テープといったエンドユーザー向け記憶媒体の販売を中心にビジネスを展開してきたが、最近ではストレージ分野にも拡大しようとしている。この買収を機に、エンタープライズストレージの分野への進出をもくろむ。
Nexsanの製品はすでに、1万1000ユーザーに3万3000システムが利用されているという。ただし、そのほとんどが北米で、今後、「イメーションの販売網を利用してグローバル展開を目指す。その中でも日本市場を最も重要な地域として注力する」(イメーションの取締役でコマーシャル製品事業本部の本部長を務める高橋秀明氏)としている。なお、販売は代理店を通して行い、直販はしない。
Nexsanのストレージ製品は、大きく分けて3種類が取りそろえられている。高密度実装が可能で、低振動、低発熱、低消費電力が特徴のSAN(Storage Area Network)ストレージ装置「Eシリーズ」と、DRAMまたはSSD(Solid State Drive)をキャッシュに利用してストレージ装置へのアクセス速度を向上させる「NSTシリーズ」、アクセス記録を取ることで改ざんがないことを保証しながら長期間のデータ保存が可能な「ASSUREON」である。
Eシリーズは、同社が「Active Drawer Technology」と呼ぶ、引き出し型のハードディスク装置(HDD)格納器を採用して、HDDの実装密度を高めたストレージ装置。例えば、16Uのラックスペースに、3.5インチ型のHDDを240台格納できる。さらに、2台のHDDを1組として、プラッタの回転方向が逆になるように格納することで、回転振動を相殺する工夫をした。そして、HDDの基盤面が向かい合うスペースを広く取って、ファンで強制的に冷却することでHDDの発熱による温度上昇を低減させる。他社のストレージ製品に比べて、同じ条件で10℃程度低く保てるという。HDDの故障原因の多くが、振動と温度上昇であることから、これらの工夫によってHDDの故障を低減させる。
消費電力を削減する機能も備える。アクセス頻度に応じて、HDDのヘッドをアンロードさせる「レベル1」から、エンクロージャの電源を停止する「レベル5」まで5段階に消費電力を制御する。レベル1で15〜20%、レベル5で87%(SATA接続のHDD使用時)または91.5%(SAS接続のHDD使用時)の電力削減効果があるという。リカバリ時間は、レベル1で1秒以下、レベル5では30〜46秒である。
一方のNSTシリーズは、Eシリーズと組み合わせて利用する。最大192GBのDRAMまたは9TBのSSDを組み込んでキャッシュとして利用することで、ストレージ装置へのアクセスを改善する。さらに、CIFS(Common Internet File System)またはNFS(Network File System)のゲートウエイ機能を備えており、EシリーズをNAS(Network Attached Storage)として利用可能だ。
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