僕らのセキュリティ5日間戦争:セキュリティ・キャンプ中央大会2013レポート(1/2 ページ)
8月13日〜17日、4泊5日で情報セキュリティを学ぶ「セキュリティ・キャンプ中央大会2013」が千葉の幕張で開催された。その模様をお伝えする。
仲間と共に腕を磨く熱い5日間
今年もセキュリティ男子・女子の熱い夏がやってきた。
8月13日〜17日、情報セキュリティを学ぶ4泊5日の「セキュリティ・キャンプ中央大会2013」が千葉の幕張で開催された。今年で10回目を迎える同キャンプは、22歳以下の学生を対象に情報技術の習得を目指す合宿形式の講習会だ。経済産業省の共催、文部科学省の後援を受け、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)とIT関係の企業・団体で構成されるセキュリティ・キャンプ実施協議会が運営する。
今年は全国から250名の応募があった。応募用紙には技術の知識や基礎力を問う設問がいくつかあり、回答を含む厳正な選考の結果、男性37名、女性5名が選ばれた。「昨年まではとりあえず応募してみようという人も多かったが、今年は濃度が高く、誰が通ってもおかしくないレベルだった」。講師の1人、長谷川陽介氏は選考をそう振り返る。
参加者は、「セキュアなシステムを作ろう」「ネットワークセキュリティ」「ソフトウェアセキュリティ」「Webセキュリティ」の4つのクラスで専門講義および演習を受けるほか、全クラスを横串で分けたグループによるグループワーク、講師が提示したテーマについて議論する「BoF(Birds of Feather)」、グループ対抗で知識や技術をフル動員して戦う「CTF(Capture the Flag)」など、盛りだくさんのカリキュラムに4泊5日どっぷり浸かる。
初日は、開講式とオリエンテーションの終了後、実行委員の園田道夫氏と独立行政法人 情報通信研究機構の井上大介氏、東京高等検察庁 大橋充直氏の特別講演が行われた。
園田氏の講演「セキュリティ基礎」では、P2Pソフトの「Winny」を題材に、一般ユーザーがウイルス感染しないためにはどうすればいいか、それを技術的にどう担保できるかなどを、グループディスカッションを交えて議論した。
また、井上氏の講演では、セキュリティ可視化技術の「NICTER」や「DAEDALUS」「NIRVANA」などが紹介され、会場からは驚嘆の声が上がっていた。
キャリアパスを考える上で刺激になればと企画されたのが、3日目の企業訪問だ。参加者は2班に分かれ、ラックとYahoo! Japanのいずれかを訪問した。
訪問先の1つであるラックでは、セキュリティ監視センター「JSOC」の紹介や見学、セキュリティアナリストによる業務の紹介などが行われた。JSOCの見学では、限られた人しか入室が許されない“防衛基地”の様子に参加者は興味津々だった。
見学後、サイバーセキュリティ研究所の山城重成氏がスマートデバイスのセキュリティの現状を、デモを交えながら紹介した。同氏はキャンプの2004年卒業生で、「自分はキャンプ参加の前と後とで意識が変わった。多くの応募者から選ばれたことは素晴らしいこと。ぜひ最後まで頑張ってほしい」と参加者にエールを送った。
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