仮想デスクトップ環境設計に使えるベンチマークツール「Login VSI」:製品動向
VDI環境特有の負荷パターンを検証できるツール「Login VSI」の新版が登場。エンドユーザーの利用を想定した機能追加が行われている。
ネットワールドは2013年8月26日、「Login VSI」の最新版「Login VSI 4.0」の提供を開始した。30日間、50ユーザーワークロードまでの無償版「Login VSI Express」と、有償版「Login VSI Pro」がある。有償版の価格は38万円(税別、3カ月間、100ユーザーワークロード)。
Login VSIは米ログイン・ブイエスアイ(Login VSI)が開発する、仮想環境専用のベンチマークツール。ハイパーバイザの種類など特定のベンダ環境に依存せずに測定が可能。これまではサーバやストレージなどのハードウェアメーカーやSI企業が利用するケースが多かったが、今版からはエンドユーザーが導入して評価しやすいよう、UIや事前設定の利便性を高めた。
新版では、「ダイレクト・デスクトップ・ラウンチ(DDL)モード」を追加した。ラウンチャは個々のVDIイメージに対して、ログインや各種操作を実行するといった仮想環境特有の負荷を与えるものだが、ラウンチャ自身が一定のコンピュータリソースを使って動作することになる。DDLモードを利用することで、より、実際の挙動に近い負荷状況を計測できるようになる。併せて、ラウンチャそのもののセットアップ工数も削減できる利点がある。
事前に負荷シナリオを設定してあるワークロードのテンプレートが用意されており、ユーザーはこれを選択するだけで負荷テストを実施できる。さらにユーザーが独自に指定のアプリケーションの動作を追加するカスタマイズもラウンチャの管理コンソールで設定できる。また、あらかじめ設定されている負荷シナリオに対して、ユーザー独自のアプリケーション動作設定をラウンチャ上の管理コンソールからプログラムできる。
ユーザーの操作に遅延なく応答する必要があるデスクトップ仮想化環境では、複数のユーザーによる仮想マシンの同時立ち上げや、大量のストレージアクセスなどを考慮した設計が必要となる。このため、一般に仮想環境ならではの通信負荷や物理サーバ負荷などを事前に評価して設計しておく必要がある。Login VSIはユーザー体験を損なわない最適なセッション数などを把握し、仮想デスクトップ環境を設計する際の指標として利用できる。
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