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フラッシュメモリ領域の処理効率を向上したOracle ZFS Storage数千台のVMも稼働可能

最新のストレージOSを搭載したOracle ZFS Storageは、メモリ内でデータの重複を排除するアーキテクチャを採用。自社データベース製品との組み合わせで最大のパフォーマンスを出す仕掛けを用意した。

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米オラクル ソフトウェア開発担当副社長であるスコット・トレイシー氏も登壇、製品の技術詳細を解説した

 日本オラクルは2013年10月15日、「Oracle ZFS Storage ZS3」など2機種の提供を開始した。ファイルシステムにZFSを採用、独自のストレージOS「OS 8」を搭載する。

 ストレージアプライアンスである同製品は、SMPに対応したOSを使うことで、単一システムで32Gビットの持続帯域幅を持つ。このストレージOSの機能により、日本オラクルでは1システム当たり最大で「数千」の仮想マシンを運用可能だとしている。また、オラクルのデータベース製品などと連携した際に高いパフォーマンスを得られるよう、独自のストレージプロトコルなどによる自動最適化が可能な点も特徴だ。


日本オラクル 執行役員 システム事業統括 飯尾光國氏。「ZFS Storageは第1四半期だけで150%の成長を達成した」と好調な売り上げであることを示した

 また、同製品ではSSDをファイルシステムの一時的な記憶領域として扱うHybrid Storage Pool機能を強化している。アーキテクチャを見直し、ディスクキャッシュ内でデータの重複排除を行うことで処理効率を高めている。日本オラクルの発表では、従来のHybrid Storage Poolと比較して応答性能を2倍に向上したとしている。

 Oracle Database 12cのデータ格納装置として利用すると、独自のストレージプロトコル「Oracle Intelligent Storage Protocol(OISP)」によるチューニング自動化や、「Automatic Data Optimization(ADO)」によるデータ格納領域の自動最適化、「Hybrid Columnar Compression(HCC)」によるデータ圧縮などを利用できる(関連記事「OOW 2013速報:オラクル、Oracle 12cにインメモリとカラム型データベースの追加機能を発表」)。

 日本オラクルでは、これらの機能を活用することで、サプライチェーン最適化の計算を行う処理や財務予測分析など、実績データを基にした多様なシナリオ分析を高速化するケースなどで高い効果が期待できるとしている。


SPECにおけるNFSワークロードのベンチマーク比較結果(2013年10月9日)。Oracle ZFS Storage ZS3-4で評価したもの。

グリー 取締役 執行役員常務 最高技術責任者 藤本真樹氏

 会見では2006年からZFS Storageを利用している(前身のSun ZFS Storage Applianceを含む)という、グリーのCTOである藤本真樹氏も登壇、ファイルシステムとしてのZFSの完成度を高く評価した。同社では日々のログデータだけで1Tバイトを超えるという。

 「compress(データ圧縮)やsnapshotはもちろんだが、Deduplication(重複排除)機能を備えるZFSはコスト効率から見ても非常に優れている。DRAMやSSD、HDDを透過的に扱える点も運用効率の視点から評価している」(藤本氏)。ZFSは、信頼性や効率性で評価の高いファイルシステム。Open Solarisなどでも利用できる。

 また、「Infinibandを使った構成は当社にとって非常にチャレンジングなものだったが、アプライアンスを選んだことで安定した運用が確実に行えた」と選定時の評価も語った。


グリーにおけるログ分析基盤の概略。基盤データレイヤの部分で同製品を採用している。格納データはアクセスログの他、課金情報も含まれる(藤本氏のプレゼンテーションより)

 ハイエンドモデルである「ZS3-4」は10コアのIntel Xeonプロセッサ(2.4GHz)を8基搭載、DRAMキャッシュ2Tバイト、読み取り用フラッシュキャッシュを最大で12.8Tバイト搭載可能で、データ容量は最大3.5Pバイトまで格納できる。ミッドレンジモデルとなる「ZS3-2」は8コアのIntel Xeonプロセッサ(2.1GHz)を4基搭載、DRAMキャッシュ512Gバイト、読み取り用フラッシュキャッシュは12.8Tバイト、データ容量は最大で768Tバイトである。

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