マルチテナントアーキテクチャに対応したOracle Enterprise Manager 12c R3:製品動向
日本オラクルは2013年8月26日、自社製品向けの運用管理ツールであるOracle Enterprise Manager 12c R3をリリースした。自社垂直統合製品のハードウェア管理やデータベースアプリケーション開発効率化を支援する機能も盛り込んでいる。
日本オラクルは2013年8月26日、自社製品向けの運用管理ツールである「Oracle Enterprise Manager 12c R3」をリリースした。
2013年7月17日に日本国内での正式出荷を発表した「Oracle Database 12c」(12c、関連記事1、関連記事2)への対応、オラクルが提供する垂直統合型システムである「Oracle Exadata Database Machine」や「Oracle Exalogic Elastic Cloud」「Oracle Exalytics In-Memory Machine」などのハードウェア/ソフトウェアについても一元的に運用管理できるようになった。同時にデータベースアプリケーションのテストや管理などを効率化するオプション機能の強化も行われている。Exadataに関しては、追加ストレージとして提供している「Expantion Rack」の管理にも対応する。
「TivoliやJP1といった運用監視ツールは、純粋にインフラの死活監視などを行う。クラウドによるリソース集約が進む中、ミドルウェア層の管理については、旧態依然のサイロ化した方式で行われているのが現状だ。Enterprise Managerはこれらのインフラ運用監視ツールとのコネクタもあり、これらと統合して管理できる点も特長である」(日本オラクル 専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長 三澤智光氏)
オプション機能強化の詳細は下記画像の通り多岐にわたる。中でも、Real Application Testingでは、本番環境で発行されるSQLをキャプチャする機能があり、それをテスト環境でそのまま利用できる。これにより、実稼働中のシステムから受けるクエリをそのままテスト環境で利用できる。想定するクエリとは異なる負荷の高いSQLがアプリケーション側から発行されているケースであっても、キャプチャによって事前にチェックできるようになる。
また、12cから実装される「コンテナ」によるデータベース統合の利用を想定して、複数のデータベース環境向けのクエリを統合し、システム統合後の稼働イメージを再生する機能も含まれる。この機能はコンテナに限らず、一般的なスキーマ統合によるデータベース統合についても適用できる。そのほか、コンテナ単位での性能監視機能なども盛り込まれている。
日本オラクルでは、これらのEnterprise Managerの機能強化により、クラウド環境におけるシステムライフサイクル管理を効率化するとしている。
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