未来予測を支える技術とPivotal/Mongo、Groonga:Database Watch(2014年1月版)(1/2 ページ)
エレクトロニクス業界の巨人「GE」がPivotal出資の真意をあらためて語った。MongoやGroongaの情報も。
エレクトロニクスメーカー「GE」がPivotal出資で狙う市場
いわゆる「第3のプラットフォーム」に特化した企業「Pivotal」の設立は2013年4月でした(8月に日本法人Pivotalジャパンがスタート)。このときの出資企業にはEMCとVMwareだけではなく、General Electric(GE)も名を連ねていたのを覚えていますか。GEとPivotalはどこでつながるのでしょうか。2013年12月12日に開催されたPivotalジャパンサミット2013の基調講演にGE ソフトウェア チーフ・マーケティング・オフィサー John Magee氏が登壇し、GEの「インダストリアルインターネット戦略」を語りました。
「インダストリアルインターネット」
GEはいうまでもなく巨大でグローバルな製造業。冒頭にMagee氏は「日々、世界の25%以上もの電力がGEの装置で発電されています」と述べていました。これまでもGEは製造管理などのソフトウェアを開発してきましたが、3〜4年前から潮目が変わり、ビッグデータや分析といった分野にも注力しています。Magee氏は「第3のプラットフォーム」で表されるような技術的な変革が、自社だけではなく世界の経済にもインパクトを与えると実感しているという。これを受けて、GEでは将来の構想を「インダストリアルインターネット」と呼び、主要な投資対象の1つとしている。
GEの考える「インダストリアルインターネット」の世界とは、「デバイス相互の接続性」「センサーデータの収集」「インテリジェントなマシン」によって分析を行うことで、より最適な判断をしていくというもの。シリコンバレーにあるGEの研究所では数百人規模のデータサイエンティストやソフトウェア開発者などが「インダストリアルインターネット」に焦点を当てています。
表現こそGE独自ではありますが、アイデアは昨今よく言われているIoT(Internet of Things)とビッグデータそのもの。GEは今起きている技術革新に適応していくために技術を刷新し、新しいアプローチで「インダストリアルインターネット」を進めていく必要があると考えており、そうしたビジョンはEMCと共有できるものでしたGEは、このEMCとのパートナーシップは「成功への鍵」になると考え、Pivotalへの共同出資に踏み切ったようです。
例えば膨大なデータ収集で未来を先読みした保守オペレーションを
GEの製品やビジネス規模を見ると、まさにビッグデータへの適応が必要な環境だということが分かります。例えばサンフランシスコから東京まで飛行するジェット機のエンジンに積まれたセンサーが生成するデータは片道で10TBにもなるそうです。大量のデータを素早く分析する技術が必要になってきます。
センサーデータを分析してどうするか? これまでデータ分析は「何が起きているか」と状況把握に使われていました。しかし今はさらに先に進み「何が起きるか?」とより的確で効率的な保守に役立てるように発展しています。
飛行機を例に考えてみましょう。中東を飛ぶ飛行機とアジアを飛ぶ飛行機、飛行する区間が異なれば気温、公害の度合いや原因物質など大気の状態も異なります。そうなると保守や管理も異なってきます。日々の運用を管理し、より適切な保守のためにデータ分析に投資することはGEにとって意義のあることです。インダストリアル・インターネット戦略のもと、第3のプラットフォーム、あるいはIoTやビッグデータといった新しい技術要素を先手必勝で獲得しようとするGEの意気込みが伝わってきました。
本国からエンジニアが来日、「MongoDB Tokyo 2013」
同じく12月12日にはMongoDB Tokyo 2013が開催されていました。開発元となる10genから多くのエンジニアが来日してMongoDBの技術解説をした他、日本における活用事例の紹介や、OSSやMongoDBに造詣が深い関係者らによるパネルディスカッションも行われました。
右からモデレーターの鈴木逸平氏、パネリストの田中邦裕氏(さくらインターネット 代表取締役社長)、桑野章弘氏(サイバーエージェント アメーバ事業本部 デカグラフ部門 インフラセクション サービスインフラグループ)、小幡一郎氏(インサイトテクノロジー 代表取締役社長)、吉岡弘隆氏(楽天 技術理事)
MongoDBといえば2013年8月号でお伝えしたように海外ではかなりブレイクしているようです。MongoDBは北米やヨーロッパと同じように、日本でも普及、成功するのでしょうか。
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