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米IT起業家らも注目の「マインドフルネス(Mindfulness)」って何だ?三国大洋の箸休め(23)(1/2 ページ)

FacebookやTwitterの共同創業者など、米国の起業家らがこぞって注目する「マインドフルネス(Mindfulness)」というムーブメントがある。日本ではあまり聞き慣れないこの言葉、一体どんな概念なのだろうか?

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 FacebookやTwitterの共同創業者など、米国の起業家らがこぞって注目する「マインドフルネス(Mindfulness)」というムーブメントがある。日本ではあまり聞き慣れないこの言葉、一体どんな概念なのだろうか?

今日の例文

The raisin exercise reminds us how hard it has become to think about just one thing at a time. If distraction is the pre-eminent condition of our age, then mindfulness, in the eyes of its enthusiasts, is the most logical response.

The Mindful Revolution - TIME

http://content.time.com/time/magazine/article/0,9171,2163560,00.html#ixzz2rYcqMXzf


ワード&フレーズ

 では、上記の例文に出てきたキーワードとキーフレーズを見ていこう。

原文
raisin レーズン
reminds 〜 〜を思い出させる
distraction 注意をそらすもの、気を散らせるもの(distractの名詞形)
pre-eminent ひどく目立つ、一番顕著な
enthusiasts 熱心な支持者・愛好者

ニュースの背景

 今回は、FacebookやTwitterの共同創業者らも注目する「マインドフルネス(Mindfulness)」とは一体何だ、という話だ。

 しばらく前から、この「mindfulness」やその形容詞である「mindful」という言葉が特別な意味で使われている記事を目にする機会が少しずつ増えている気がする。

 私が最初に目にしたのは、半年余り前のWiredの記事で、「GoogleやFacebookといったシリコンバレーの企業で働く一部の人たちの間で、瞑想などのレッスンが人気を集め始めている」といった内容のもの。

 そして次が2013年11月初めのNYTimes記事で、こちらはSoren Gordhamerという人物が始めたこの関連の「Wisdom 2.0」というカンファレンスや、そこに集まった人たち(後述)のことなどに多くのスペースが割かれていたりする。

 さらに最近では、老舗雑誌TIMEがmindfulness関連の事柄に焦点を当てた特集記事を掲載。この記事が載った2月3日号の表紙には、「The Mindful Revolution - The science of finding focus in a stressed-out、multitasking culture」という文字が躍っている。

 mindfulnessの指す範囲はかなり広いようで、簡潔に説明するのは難しい。またその実践についても、瞑想の他に、例えば「食事をゆっくりと味わいながら摂る」「広い芝生の上などを歩き回る」(”aimless wandering”というらしい)といったものもあるという。

[Thich Nhat Hanh: @Google Talk]

 Googleの取り組みを撮影したこの動画が紹介されているFast Company記事では、mindfulnessの効用として、「Emotional Intelligence」(感情知性、EQ)、「Resilience」(回復力、弾力性)、「Focus」(集中力)の3つが挙げられている。

 シリコンバレーもしくは西海岸で瞑想・座禅、などと聞くと、かつてのヒッピームーブメントやSteve Jobsの名前が思い浮かぶかもしれない。けれども、このmindfulnessのブームは、そうしたカウンターカルチャー、ニューエイジ的なものとは無縁で、あくまで現世の利益――それもストレス対策や生産性・創造性の向上、健康増進といった毎日の生活に役立ちそうなものが主な目的とされているようだ。

そうそうたる面々が集う「Wisdom 2.0」カンファレンス

 そのことは、「Wisdom 2.0」カンファレンスの登壇者の顔ぶれからもうかがえる。

 2013年2月にあったカンファレンスでは、Evan Williams(Twitter、 Bloggerの共同創業者。現Medium)、Dustin Moskovitz(Facebook共同創業者。現Asana)、Jeff Weiner(LinkedInのCEO)、Pierre Omidyar(eBay創業者)、Padmasree Warrior(Cisco SystemsのCT&SO)、それにArianna Huffington(Huffington Post共同創業者、ジャーナリスト。現AOL)やBill Ford(Ford Motor会長)といった起業家や企業経営者たちがステージに上り、彼らの話を聞きに約1700人もの人が集まったという。

 2月14日からは今年のカンファレンスが始まるが、こちらの講演者の中にも、Google、Facebook、Twitter、LinkedInといった各社の関係者の名前が並んでいる。この講演者リストのページの最上段には、Tony Hsieh(Zappo創業者兼CEO)、Arianna Huffington、Eckhart Tolle(後述)、Alanis Morissette(シンガーソングライター)という名前とそれぞれの顔写真が並んでいるが、“mindfulness”というつながりを知らなければ、実に不思議な(訳の分からない)組み合わせと思われるかもしれない。

 その他、NYTimes記事には、50 Cent(ラッパー)、George Stephanopoulos(Bill Clinton元大統領の側近。現ABCアンカー)、キャンディス・バーゲン(女優)、そしてRupert Murdoch(News Corp会長)などの著名人もmindfulnessに関心を示している、とある。

 これらの支持者の中でも、Arianna Huffingtonの傾倒ぶりはなかなかのものらしく、自らもカンファレンス("The Third Metric"という名前のものらしい)を開いたり、「GPS for the Soul」というスマートフォンアプリを作らせてリリースしていたりする。またPlantronics、VMware、Nike、General Mills、Target、Atenaといった各社でも、この関連のプログラムを社内で導入しているという。

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