もし56日かかったDB構築を3時間に短縮できたら? IT部門もユーザーもハッピーになるセルフサービス化:DBaaSも見据えたOracle Exadataによるデータベース統合(4/4 ページ)
「Oracle Exadata」とシステム管理ツール「Oracle Enterprise Manager」「Oracle Database 12c」の組み合わせは、データベース統合環境の進化形である「DBaaS」の構築基盤として最適な能力を備えている。サーバー仮想化よりも効率的なデータベース仮想化を実現し、セルフサービス化によってユーザー部門の利便性を高めつつ、IT部門の運用管理負担を減らすことができるのだ。[プライベート・クラウド/データベース統合][運用管理効率化][Engineered System][Oracle Enterprise Manager]
Oracle Enterprise Manager 12cでデータベース利用をセルフサービス化。構築期間を56日から3時間に大幅短縮した金融機関も
Oracle Enterprise Manager 12cは、データベース利用計画の策定からデプロイ、テスト、管理/監視、そしてセルフサービス化まで、DBaaSのライフサイクル全般を管理するための機能を網羅的に備えている。これらの機能の中で今回特に注目したいのが、データベース構築のセルフサービス化を実現する「Cloud Management Pack for Database」だ。
今日の一般的なIaaSは、まずCPUやメモリ容量の異なる仮想サーバーを列挙したカタログから、自身の用途に適したものを選択し、続いてディスクサイズなどを指定して仮想サーバーを構築するといった流れで利用する。つまり、アプリケーションの利用部門などがセルフサービスで必要なコンピュータリソースを準備するわけだ。
データベースに関して、これと同様のセルフサービス化を実現するのがCloud Management Pack for Databaseである。サーバースペックやサービスレベルなどが異なるデータベースをカタログとして用意すると、利用部門はこの中から要件に適したものを選ぶだけで、データベース環境を構築できる。メータリングや課金の機能も用意されており、それぞれの部門の利用状況に応じてDBaaSの運用コストを配賦するといったことも実現可能だ。
実際に、Oracle Enterprise Manager 12cの機能を使ってDBaaSを構築し、大きなメリットを得ている企業の1社がインドのHDFC銀行である。同行ではIT部門が定めた標準的なデータベース環境とは異なるデータベースが乱立しており、適切に管理できない状況に陥っていた。また、今日の金融業では新規サービスをタイムリーに提供することが重要となっているが、同行ではデータベースの調達/構築作業に時間がかかり、必要なサービスを迅速に提供できないという問題にも悩まされていた。
「そこでHDFC銀行では、まずOracle Exadataを導入し、その上に行内に散在するデータベースを集約することを決めました。これまで、データベース構築に際して最も時間がかかっていたのは個々のハードウェアの調達でしたが、Oracle Exadataを共通のデータベース基盤として用意することでハードウェア調達の時間を省き、データベース構築に要する期間を56日から3.5日にまで短縮します。ただし、それでも遅いと考えた同行が目を付けたのが、Oracle Enterprise Manager 12cのCloud Management Pack for Databaseでした。これを利用してセルフサービス化を推し進め、最終的にはわずか3時間で各部門がデータベースを利用できるまでスピードアップしています」(平井氏)
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DBaaSによるセルフサービス化は、グローバル企業のIT運用管理にも最適
また、Cloud Management Pack for Databaseを活用すれば、データベースのカタログ化によって社内IT環境の標準化を推し進めることもできる。例えば、使用するハードウェアリソースや、RACの利用有無、バックアップ手法などに応じたカタログを用意し、利用部門はその中から要件に応じたデータベースを選択し、自らデータベースを構築するのだ。オプションとして、Oracle RACやパーティショニング機能、Oracle Active Data Guardなどを用意してもよいだろう。
このように幅広い選択肢を用意すれば、利用部門はアプリケーションの要件に応じて柔軟にデータベース環境が構築可能となる一方で、IT部門はカタログ化によって社内のデータベース環境をパターン化し、標準化を推進することができる。つまり、利用部門とIT部門の双方にとって最適なデータベース基盤をOracle Enterprise Manager 12cで実現できるのだ。
さらに、セルフサービス化の推進は、グローバル化が進む企業のIT運用管理にも適していると平井氏は説明する。
「例えば、日本国内のデータベース環境を海外拠点からも利用するといった場合、各国の事情に合わせて日本のIT部門が構築や運用を行うとなると、時差の関係もあり、その負担は極めて大きくなります。しかし、Oracle Enterprise Manager 12cを使ってデータベース利用をセルフサービス化すれば、それぞれの国の利用部門が自らデータベースを立ち上げられるようになる他、稼働状況の監視やデータベースのリセットといった作業も利用部門自身で行えるため、彼らにとっての利便性を高めつつ、IT部門の負担を大きく軽減できるのです」(平井氏)
以上のように、Oracle ExadataとOracle Enterprise Manager 12cによるDBaaSは、データベース統合環境の運用管理で企業が直面する課題を大きく解消する。また今後、DBaaSはプライベートクラウドの枠を超え、パブリッククラウドの世界にも普及すると予想されるが、Oracle Enterprise Managerはそうしたハイブリッドクラウド環境で個々のデータベースを効率的に管理するツールとしても発展していくことが期待される。目前の課題を解決するだけでなく、企業が将来にわたり安心してデータベースを預けられる基盤、それがOracle ExadataとOracle Enterprise Managerが実現するDBaaSなのである。
※本記事は日本オラクルにより提供されたコンテンツを転載したものです。
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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年7月15日
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