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Oracle Databaseをこれから導入。11gにするか? それとも12cか? データベースクラウド構築時のバージョン選定の指針Oracle DatabaseでDBaaS構築! 知っておきたい大切なポイント(4/4 ページ)

近年、将来も見据えたデータベースクラウド(DBaaS)の導入を検討する企業が増えているが、その際には十分にご検討いただきたいことがある。その1つがOracle Databaseのバージョンだ。DBaaSのライフサイクル全体を最適化するバージョン管理のベストプラクティスを紹介する。[プライベートクラウド/データベース統合][Oracle Database 12c]

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Oracle Database 12c R1ならアップグレード不要のシナリオも

 続いて、オラクルのこれまでのアップグレード実績を基に、実際にOracle ExadataでOracle Database 11g R2を選択した際のシナリオを考えてみたい。先ほどの例と同様に、システムを2015年1月にカットオーバーして5年間使い続けることを想定する。その場合のシナリオは下図のようになる*。

* 図中の赤い矢印は既にリリース済み、もしくは期間が決定済みであることを示し、灰色の矢印は今後リリースが予想されるもの、もしくは未定であることを示す。また、以降の図中に示すOracle Database 12c R2のリリース時期などは説明のための仮定である。正確な時期については今後の発表を待たれたい



 図に示すように、システムの利用期間中のどこかで、Oracle Databaseの12cへのアップグレードが必要となる。なお、パッチを適用するには最新のPSRが適用されているか、もしくはターミナルリリースである必要があるということを考慮すれば、Oracle Database 12cへのアップグレード以降も、新規パッチ提供を受けるためにPSRの適用を行うこととなる。同様に、SSWのアップグレードも検討事項となるだろう。

 一方、Oracle Database 12c R1を選択した場合、PSRを適用する必要はあるが、基本的には大きなアップグレードを行わずにシステムを使い続けることができる。カットオーバー後の運用負担を少しでも減らしたいと考えるのなら、必然的にこちらを選択することになるだろう。

 さらに、Oracle Database 12c R1ならば、いずれかのタイミングでリリースされる12c R2にアップグレードすることで、Extended Supportのコスト負担を回避することもできるだろう。アップグレードのコストをどう捉えるかが鍵になるが、コストを抑えつつ、新規パッチ提供などのサポートもしっかり受けたいというのなら、このシナリオも検討する価値がある。

メジャーリリースのスキップにはリスクがあることを理解する

 このように見ていくと、現時点でOracle Database 11g R2を選択した場合、将来的に大きな負担につながる可能性があることが分かる。確かに、従来は新バージョンが登場しても慌てて飛び付くのではなく、ある程度バージョンが上がったタイミングで切り替えを検討するのが一般的だった。その観点で言えば、Oracle Database 11g R2もわずか1つ前のメジャーリリースであり、現時点ではあえてOracle Database 12cに乗り換えないという選択もあり得るように思える。

 しかし、この考え方をいつまでも盲進するのは危険である。そもそも、今日ではリリースサイクルが変化しており、メジャーリリースをスキップした場合、サポート期間から外れてしまうというリスクがあるためだ。

 例えば、かつてOracle Database 11g R2がリリースされたタイミング(2009年9月)では、まだOracle 9i Database R2のExtended Supportを受けることができた。つまり、Oracle Database 10g R1、同R2、そしてOracle Database 11g R1をスキップしたとしても、まだサポートを受けられたわけだ。しかし、その後メジャーリリースの間隔が延びたことにより、Oracle Database 12c R1のリリース時点でサポートが継続していたのはOracle Database 11g R1、同R2のみとなった。


※本図は2014年5月時点の情報に基づく。最新情報はリンクのWebページにあるドキュメント「Lifetime Support Policy: Oracle Technology Products」を参照のこと。

 そのOracle Database 12c R1もリリースから1年が経過しており、それに応じてOracle Database 11g R1、同R2のサポート期間の残りも短くなっている。現時点でOracle Database 11g R2を選んでいずれかのタイミングでアップグレードするくらいなら、最初からOracle Database 12cを選択し、浮いたアップグレードのコストを別の投資に振り向けるべきかもしれない。

 また、前述のようにOracle Database 12cを選択すれば、マルチテナントアーキテクチャをはじめとする最新の機能を活用できるという大きなメリットもある。

 次回、「Oracle ExadataでDBaaS構築! 知っておきたい大切なポイント(2)」では、それらの機能を活用したDBaaS環境の運用イメージと、それによるメリットを説明する。

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年7月22日

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