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時系列分析I ――ARMAモデルと時系列分析ITエンジニアのためのデータサイエンティスト養成講座(9)(1/4 ページ)

システムログも金融取引データも時系列で分析できる。ビジネスシーンで求められるデータ分析の多くを占める「時系列データ」分析の基礎を解説。

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はじめに

 今回は時系列分析について紹介します。ビジネスで生成されるデータの多くが“時間“の項目を含む時系列データで、1週間の傾向や季節変動などを分析する際など、さまざまな場面で時系列の分析が必要となります。

時系列分析(Time Series Analysis)とは?

 時系列分析(Time Series Analysis)は、株価や為替レートなど金融関連の時間とともに変化するデータを分析し予測するために発達してきました。「時系列計量経済学(Time Series Econometrics)」などの学問の中で論じられているデータ分析の中では、比較的歴史のあるテーマです。それだけに、定式化するためのさまざまなモデルが提案されていて、1つの変量を分析するためのモデルだけでも、表1のように多くのモデルがあります。

略称 説明
AR 自己回帰(Auto Regression)モデル
MA 移動平均(Moving Average)モデル
ARMA 自己回帰移動平均モデル
ARIMA 自己回帰和分移動平均モデル
ECT 誤差修正自己回帰モデル
ARCH 分散自己回帰モデル
GARCH 一般化分散自己回帰モデル
SV 確率的ボラティリティモデル(Stochastic Volatility)
MSM マルコフスイッチングモデル(Markov Switching Model)
MSM マルコフスイッチングマルチフラクタル(Markov Switching Multifractal)

時系列分析の参考書

 時系列分析に関してはこれまでのテーマよりも複雑で奥が深いので、学ぶためのヒントとなる書籍を紹介しておきます。

 まずは時系列分析が初めての方には、概要や方法論などを広く紹介している『入門はじめての時系列分析』(東京図書)がオススメです。また、本稿で紹介する「ARMAモデル」について詳しく知りたい方には『経済・ファイナンスデータの計量時系列分析(統計ライブラリー)』(リンクはAmazon)などがありますので、理論をさらに詳しく知りたい方は一読してください。

時系列分析の手法―ARMAモデル(自己回帰移動平均モデル)

 今回は「SPSS」や「R」などメジャーなデータマイニングツールの多くに実装されている「自己回帰移動平均モデル(ARMA Model)」を使った時系列分析を紹介します。

 ARMAモデルは「自己回帰モデル(AR:Auto Regressive)」と「移動平均モデル(MA:Moving Average)」を組み合わせたモデルで、ARMA(p,q)モデルと記述されます。pとqはそれぞれ自己回帰と移動平均の次数を表します。

 詳しい解説は先ほど紹介した「経済・ファイナンスデータの計量時系列分析 (統計ライブラリー)」やWikipedia日本語版の「自己回帰移動平均モデル」などに解説がありますので読んでみてください。

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