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論理思考を会話に応用するITエンジニアのチームリーダーシップ実践講座(12)(1/3 ページ)

ロジックツリーやMECEなど、メンバー同士が意見を交わす際に役立つ論理思考を紹介する。

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「ITエンジニアのチームリーダーシップ実践講座」

連載目次

 チームメンバーの意思の疎通が良くなれば、チームの効率も良くなります。今回は、話し合いやメンバー同士が意見を交わす際に役立つ論理思考を紹介します。

※この連載は、『ITエンジニアのためのチームリーダーシップ実践講座』(上村有子著)の第1章〜第3章を、著者と出版社の許可の下、一部修正して転載するものです。

論理思考のススメ

 「メンバー間の意思疎通を良くする」といっても、会話の量を単純に増やすとか、雑談をして仲良くなるという意味ではありません。チームには仕事としての目標があるので、限られた時間内に結果を出すには、あまり悠長なことは言っていられません。

 第8回「5つのプロセスで進める、効果的な会議ファシリテート」で述べたように、チーム内での会議はもちろん、メンバー同士でちょっと打ち合わせをするときも、リーダーが話し合いを適切にファシリテートすると、充実した話し合いが行えます。

 メンバーにも、少なくとも話し合いの進行を妨げないよう、ファシリテーションの大筋や流れを理解してもらいましょう。メンバー一人一人が、話し合いの進行の意図やフェイズごとにやるべきことを自覚できれば、話し合いの質はぐんと高まるはずです。

 話し合いの中でメンバーに求められるのは、アイデアや意見を出すことです。ここで、各自がばらばらなやり方でアプローチしたのでは、まとまりがつきません。ある程度ルールを設けた方が、効率が上がります。

 そのような話し合いの基本的なルールとなるのが「共通言語」です。話し合いのベースとなる思考レベルで、この共通言語を活用します。開発現場のチームにおいては「論理思考」を共通言語にするのが適切です。

1対1はタイプ別で、チーム内は論理思考で

 第7回「思考の癖を把握して効果的に評価する(後編)」で、人には「損得勘定で動く人」「ロジックで納得する人」「情を大切にする人」などいろいろなタイプがあり、相手に合ったやり方でアプローチすると良いと説明しました。

 リーダーがメンバーと1対1で対面する際は、上記を活用するのが良いでしょう。しかし、複数のメンバー同士で話し合う場合は、ロジックで納得させる方法を使うのが、最も合意を得やすく有効です。ロジックで納得させる方法を共通のルールにすると、チームの合意が形成しやすくなります。

論理思考を鍛える質問を繰り返す

 しかし、メンバー同士の自主性に任せていても、共通ルールや共通言語は浸透しません。誰でも慣れないものごとに取り組むときは面倒に感じたり、気後れしたりするものです。最初はリーダーがお手本になって、「論理的に話す」「論理的に図示する」など、目に見える態度で示してください。

 同時に、メンバーにも実際に論理思考を使うよう指導しましょう。頭で分かっているだけでは何の役にも立ちません。メンバーに何かを報告させるときは、「3つに的を絞って報告して」や「2点目の根拠は何?」など、論理思考を鍛える質問を繰り返し、それに即座に応答させるようにします。ことあるごとに実践する機会を与え、論理思考をチームの習慣にしてしまいましょう。

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メンバーの論理思考を鍛える

ポイント

リーダー自らが、論理思考を実践する

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