IE8との互換性を向上させるIE11のエンタープライズモード:Windows Insider用語解説(2/2 ページ)
Internet Explorer 11のエンタープライズモードを有効にすると、まだ企業内などで多く使われているIE8向けのWebサイトでも正しく表示できるようになる。
エンタープライズモードを管理する
IE11のエンタープライズモードはデフォルトではオフになっており、これを利用する(有効にする)ためには事前の設定が必要である。互換表示はユーザーが自由にオン/オフできたが、エンタープライズモードは基本的には管理者が事前に組織全体で導入するかどうかを設定して使うことになる。
エンタープライズモードを有効にするには、グループポリシーかレジストリによる設定を行う。
●エンタープライズモードをグループポリシーで有効にする
エンタープライズモードを制御するグループポリシーには次の2つの項目がある。
- エンタープライズモードを有効にするサイトをXMLファイルで指定する――管理者が事前に設定した定義に基づいて自動的にオン/オフを行う
- エンタープライズモードのオン/オフをユーザーに許可する――ユーザー自身がIE11の[ツール]メニューでオン/オフを行う
これらのいずれか、もしくは両方を設定する。
IE11のエンタープライズモードを利用するためのグループポリシー設定
IE11のエンタープライズモードを利用するためには、2つのグループポリシーオブジェクト(のいずれか)を設定する。
(1)[コンピューターの構成]か[ユーザーの構成]の下にある[ポリシー]−[管理用テンプレート]−[Internet Explorer]を開く。
(2)「[ツール]メニューからエンタープライズ モードを有効にして利用できるようにする」を有効にすると、ユーザー自身でエンタープライズモードを有効にするかどうかを選択できる(詳細は後述)。
(3)「エンタープライズ モードIEのWebサイト一覧を使用する」をオンにすると、管理者が特定のサイトやURLだけをエンタープライズモードで利用できるように設定できる。
(4)エンタープライズモードで利用するサイトの情報はXMLファイルにして、Webやファイル経由でアクセスできるようにする。これについては次の「エンタープライズモードのサイト情報の管理」参照。
●エンタープライズモードをレジストリで有効にする
レジストリで設定する場合は、次のキーを設定する。
項目 | 内容 |
---|---|
キー | HKEY_CURRENT_USERかHKEY_LOCAL_MACHINEの、 \Software\Policies\Microsoft\Internet Explorer\Main\EnterpriseMode |
値の名前 | SiteList(サイト情報のXMLファイルを使う場合) |
型 | REG_SZ |
値 | XMLファイルのパスかURL |
値の名前 | Enable(ユーザーに制御させる場合) |
型 | REG_SZ |
値 | (オプション)POST通知先のURL |
エンタープライズモードを制御するためのレジストリ設定 上のグループポリシーに相当するレジストリ設定。2つある。 |
●エンタープライズモードのサイト情報の管理
エンタープライズモードを有効にするサイトを管理者が設定する場合は、どのサイトやURLでエンタープライズモードを有効/無効にするかを指定したXMLファイルを作成し、そのファイルの場所(URLもしくはファイルパス)を指定する。このリストを作成するには「Enterprise Mode Site List Manager」というツールが利用できる。
Enterprise Mode Site List Managerによるサイト情報の管理
Enterprise Mode Site List Managerツールでエンタープライズモードを有効にするサイトやURLの情報が含まれたXMLファイルを作成できる。
(1)対象となるサイトやパスを指定する。1つのサイト内でも、パスごとにエンタープライズモードの有効/無効を混在して設定できる。
(2)エンタープライズモードにするか、それともデフォルトのモードにするかを指定する。
このツールでXMLファイルを作成して、グループポリシーやレジストリで指定した場所に配置しておく。
ユーザーにエンタープライズモードのオン/オフを任せる
グループポリシーの「[ツール]メニューからエンタープライズ モードを有効にして利用できるようにする」か、レジストリの「Enable」という値を設定しておくと、IE11の[ツール]メニューに[エンタープライズ]という選択肢が表示され、エンタープライズモードを利用するかどうかを、ユーザー自身が変更できるようになる。
ユーザーによるエンタープライズモードの変更
グループポリシーなどを設定しておくと、エンタープライズモードを利用するかどうかを、ユーザー自身で選択できるようになる。
(1)この項目が表示されている場合は、ユーザーがモードを選択できる。
管理者はグループポリシーかレジストリで、POSTコマンドの通知先のURLを設定しておくこともできる(先の設定方法参照)。通知先が設定されていると、ユーザーがエンタープライズモードを有効にしたサイトの情報が収集される。管理者はこのデータに基づいて、エンタープライズモードを適用するサイトのリストデータを更新できる。
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