WindowsでOneDriveを活用するためのテクニック集:特集(4/4 ページ)
身近になってきたオンラインストレージ「OneDrive」。Windows環境で本格的に使いこなすのに役立つテクニックやノウハウをまとめておく。
OneDriveで古いファイルや削除してしまったファイルを取り出すには?
OneDriveには、ファイルのバージョンを管理する機能はない。正確に言えば、Office文書だけは履歴の管理はできるが、それ以外の一般的なファイルに関しては、古いバージョンのファイルや、(間違って)削除してしまったファイルを(エクスプローラ上で)取り出すような機能はサポートされていない。
●Office文書の履歴管理
OneDrive上にOffice文書を保存すると、それらのバージョンを管理して、古いバージョンのファイルを取り出すことができる。ただしこの操作はWebブラウザでOneDriveにアクセスして行う必要がある。
WebブラウザでOneDriveのサイト(https://onedrive.live.com/)を開いてファイルの一覧を表示させ、Office文書を右クリックして[バージョン履歴]というメニューを実行する。すると該当する文書の現在のバージョンや過去のバージョンが表示されるので、適当なものを選んで復元したり、ダウンロードしたりすればよい。
OneDriveにおけるOffice文書のバージョン管理
OneDriveでは、Office文書だけはバージョン管理が可能となっている。
(1)Office文書を1つ選択してみる(これはWord文書ファイル)。
(2)右クリックしてポップアップメニューから[バージョン履歴]を選択する。
(3)現在のバージョン。
(4)過去のバージョンがここに表示されているので、どれか1つ選択する。
(5)これをクリックするとファイルをダウンロードできる。
●一般的なファイルの復旧機能
OneDriveでは、Office文書以外はバージョン管理できない。だが「ごみ箱」機能はあるので、これを使って削除してしまったファイルを取り出すことはできる(削除したOffice文書もこれで復元できる)。OneDriveのごみ箱へアクセスするには、WebブラウザでOneDriveのサイトを開く。するとOneDriveのファイル一覧画面が表示されるので、画面左のメニューから「ごみ箱」を選択する。過去1カ月ほどの削除ファイル/フォルダが表示されるので、そこからファイルやフォルダを選んで復元できる。
OneDriveのごみ箱機能
Office文書以外のファイルでも、ごみ箱機能を使えば復元できる。
(1)OneDriveのサイトを開く。
(2)「ごみ箱」をクリックする。
(3)復元したいファイルやフォルダを選択する。
(4)これをクリックすると復元できる。
OneDriveのごみ箱を使う以外にも、ローカルのWindows OSの「以前のバージョン」や「ファイルの履歴」を使って復元する方法もある。
「以前のバージョン」はWindows 7で利用できる、削除された過去のファイルを取り出す機能である。詳細は以下を参照していただきたい。
Windows 8.1/10の場合は「以前のバージョン」に代わって用意された「ファイルの履歴」機能を使うと、削除されたOneDrive上のファイルを取り出すことができる。詳細は以下の記事を参照のこと。
- TIPS「Windows 8のファイル履歴で上書き/削除したファイルを復元する」
- Windows 8連載「ファイルを自動バックアップするファイル履歴機能」
この機能はWindows 8.1/10でも利用できる。
OneDriveのトラブルシューティング
OneDriveの運用で何らかの問題(同期の失敗など)が発生すると、OneDriveからの通知メッセージが表示されることがある。
エラーがあった場合の表示
OneDriveの同期作業などでエラーが発生すると、OneDriveからの通知メッセージが表示されることがある。これはWindows 10のOneDriveでのエラー例。
(1)エラーの詳細を確認するにはOneDriveアイコンを右クリックして、[同期に関する問題の表示]をクリックする。するとエラーの詳細が表示される。
(2)エラー例1。OneDriveで利用できない文字(この例では、あるプログラムが生成した互換性のない外字コードになっている)がファイル名に使われている。ファイルを削除する。
(3)エラー例2。あるフォルダを同期の対象から外してあるのに、それと同名のファイルやフォルダがローカル側に見つかると、(競合しているので)エラーとなる。クラウド側とローカル側のどちらかの名前を変更するか、削除する。
この例では、不正な名前のファイル名やフォルダーの競合などが発生している。該当するファイルを削除したり、競合するフォルダーをローカルから削除したりすれば解決できるだろう。
これらは、比較的対処が簡単な場合の例であるが、場合によってはなかなか原因が判明しない障害も少なくない。同期速度が非常に遅い、全く同期されない、いつまでたっても同期作業か完了しない、OneDriveのプロセス(SkyDrive.exeもしくはOneDrive.exe)がCPUをずっと(わずかながらだが)消費し続けていていつまでも0%にならない、などである。
残念ながら、このような事態になった場合の確実な解消方法はない。幾つか挙げると、次のようなものがある。
- (Windows 8.1なら)OneDriveのトラブルシューティングツールを使ってみる
- いったん同期作業を停止させてから再起動させてみる(OneDriveアイコンから[同期の一時停止]を実行する)
- ログオフやシステムの再起動をしてみる
- (Windows 7/10なら)[OneDriveのリンク解除]と再リンクをしてみる
- OneDriveのフォルダを移動させてみる(これで面倒なトラブルが解消することが意外と多い)
- OneDriveを再インストール(上書きインストール)してみる
- Windowsのユーザープロファイルを削除してから再ログオンして再作成してみる(TIPS「不要になったユーザー・プロファイルを削除する」参照。いったんサインアウトしてから管理者ユーザーでサインインし、該当するユーザーのプロファイルを削除する)
- OneDriveの設定を「リセット」してみる(後述)
- OneDriveのログファイルなどを確認する
- Windows Updateなどで最新版のOneDriveクライアントに更新してみる
- インターネットでトラブル事例を検索してみる
OneDriveのログなどのデータは以下の場所にあるので、そこにあるログファイルなどを参照すれば、何が問題か、手掛かりになる(かもしれない)。
- Windows 7/10なら「%localappdata%\microsoft\{skydriveまたはonedrive}\logs」
- Windows 8.1なら「%localappdata%\microsoft\windows\skydrive\logs」
さらにWindows 8.1なら、OneDriveのトラブルシューティングツールが利用できるので、まずはそれを使ってみるとよいだろう。
- OneDrive のトラブルシューティング ツールを実行する(マイクロソフト)
OneDriveの設定を「リセット」してみるのも有効な解決方法の1つである。リセットするとOneDriveの全ての設定が一度削除され、再同期作業が行われる。具体的な作業については以下のTIPSを参照していただきたい。
本記事では、OneDriveをWindows 7/8.1/10で利用する場合の機能や注意点を中心に解説してきた。OneDriveを単なる大容量のデータ保存先として使うだけでなく、Windows PCやタブレット、スマートフォンなども含めた環境統合用の手段としてみると、ますますその重要性は高まるだろう。ぜひ活用したいところだ。
■更新履歴
【2017/03/23】Windows 10に合わせて、加筆・修正しました。
【2014/11/27】初版公開。
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