Android端末で見かける「Google Play開発者サービス」とは何か?:Tech TIPS
Androidスマートフォン/タブレットでしばしば目にする「Google Play開発者サービス」。起動した覚えもないのに、なぜかシステムに常駐している。その正体は? 一体何の役に立っているのか? どうすれば最新版に更新できる?
■記事内目次
- Google Play開発者サービスとは?
- Google Play開発者サービスは「必須」なのでプリインストールされている
- Google Play開発者サービスはAndroid本体とは別に自動で更新される
- Google Play開発者サービスは古めのAndroidにも最新版が提供される
- Google Play開発者サービスを手動で更新するには
- Google Play開発者サービスが最新かどうか確認するには
- データを消去してGoogle Play開発者サービスを強制的に更新するには
- それでも更新できなければGoogle Playストアのデータを消去してみる
- Google Playストア以外でGoogle Play開発者サービスを更新するのは避ける
対象:Googleの各種サービス、Androidスマートフォン/タブレット
Androidスマートフォン/タブレットでインストール済みのアプリを調べていると、インストールした覚えのない「アプリ」(?)を見掛けることがある。「Google Play開発者サービス」もその1つとして挙げられる。
しかもこのアプリは必ずシステムに常駐していて、メインメモリ(RAM)をそれなりに消費している。明示的に起動した覚えがないアプリが、貴重なRAMなどのリソースを消費しているのは、あまり気持ちのよいものではない。
名称に「Google」が含まれているので、Google製アプリ(?)とは推測できる。だが「開発者」とはどういうことか? 一般のユーザーに必要なプログラムなのか? 無効化したりアンインストールしたりしてもよいのだろうか?
もっと困るのは、このプログラム名がエラーメッセージや通知に記載されている場合だ。「問題が発生したため、Google Play開発者サービスを終了します」「Google Play開発者サービスは、繰り返し停止しています」……。アンインストールした方がいいのでは? と考えてしまっても無理はないだろう。
本Tech TIPSでは、この謎多きプログラムについて説明する。さらに、このプログラムの更新でトラブルが生じたときの対処方法についても解説する。
Google Play開発者サービスとは?
「Google Play開発者サービス」とは、Android対応アプリがGoogle提供の各種オンラインサービスを利用する際、それを「仲介」するプログラムである。システムに常駐して、他のアプリの背後(バックグラウンド)で稼働し、Googleのサービスを利用するための共通のAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を他のアプリに提供する。その際に必要なGoogleアカウントの認証にも、このプログラムが利用される。
Google PlayストアやAndroidの設定アプリだと、Google Play開発者サービス(英語では「Google Play Services」)は他の普通のアプリと同じように扱われているように見える。しかし、上述のようにその役割は一般的なアプリと大きく異なる。そして、これがなければGoogleの各種サービスが利用できなくなるという、重要なプログラムだ。
Google Play開発者サービス(以下、開発者サービスと略)のメモリや電力などの使用量が多めに見えるのは、システムにずっと常駐していることや、(他のアプリの代わりに)電力を消費しやすい通信機能を利用してGoogleの各サービスにアクセスしていることが影響しているようだ。
開発者サービスがサポートしているGoogleのサービスを、幾つか挙げておく。
- Googleアカウント
- Googleドライブ
- Googleマップ
- Googleアナリティクス(アクセス解析サービス)
- Google Pay
- Google Fit(フィットネス)
- Google Cast(Chromecastなどから利用されるサービス)
- ゲーム
- 通知
Google Play開発者サービスが提供するAPIの詳細については、本記事末尾の「関連リンク」にある「Google Developers」のWebページを参照していただきたい。
Google Play開発者サービスは「必須」なのでプリインストールされている
以上のように、Androidアプリから何らかのGoogleのサービスを利用するなら、開発者サービスは必須のプログラムといえる。実際、日本国内で市販されている多くのAndroidスマートフォン/タブレットには、開発者サービスがプリインストールされている*1。
*1 Amazon.comのKindle Fire HDシリーズは、Androidをベースにした「Fire OS」を搭載している。だが、開発者サービスはプリインストールされていない。また、中国製のスマートフォンでもプリインストールされていない場合がある。
もし、これを無効化したりアンインストールしたりすると、GmailアプリのようなGoogleのサービスを利用するアプリが即座にエラーを発して利用不能になってしまう。また、一見Googleとは関係のなさそうなアプリでも、例えばマップ表示や住所検索などでGoogleのサービスを呼び出していることがあり、同じく使用不能になることがある。
名称に「開発者」と入っていても、Androidスマートフォン/タブレットを使う一般のユーザーにとって必須のプログラムといえる。
Google Play開発者サービスはAndroid本体とは別に自動で更新される
開発者サービスについて知っておきたいもう1つの特長は、Android本体とは別に更新されるという点だ。
Androidの更新(アップグレード)用パッケージは通常、端末(ハードウェア)を開発したベンダーから提供される。
一方、開発者サービスの場合は、前出の図のようにGoogle Playストアから、すなわちGoogleから直接提供される。しかもその更新は自動的かつ暗黙的に行われる(一般的には、更新版のリリースから数日程度で端末に配信されるとのことだ)。
また、更新版がリリースされるタイミングもAndroidの更新とは直接関係がない。むしろGoogleが提供するサービスとの関係の方が深い。Googleが新たなサービスのプレビューを開始するのと同時にGoogle Play開発者サービスも更新されることもある。
古めのAndroidにも最新のGoogle Play開発者サービスが提供される
開発者サービスは、古いAndroidにも最新バージョンが提供されている。Android自体のメジャーバージョンアップが既に止まっている古い端末でも、開発者サービスは最新版を利用できることが多い。
実際にAndroid 5.0/6.0/7.1/8.0/9/10/11をそれぞれ搭載するスマートフォン/タブレットで開発者サービスのバージョンを実際に確認したところ、いずれも執筆時点で最新のVer. 21.12.13(2021年4月12日リリース)がインストールされていた。
そのため、古い端末でもGoogleの最新サービスを活用した新しいアプリを利用できる(可能性が高まる)というメリットがある(ただしアプリによっては、開発者サービスによらず、Androidが古いといった別の理由で実行できないこともあるが)。
Google Play開発者サービスを手動で更新するには
前述の通り、Google Play開発者サービスは自動で更新される。だが、何らかのトラブルにより自動更新が働かない、あるいは更新が遅れた状態で、Google Play開発者サービスに関するエラーメッセージや通知が表示されることがある。そのような場合には、手動で更新することも可能だ。
Androidスマートフォン/タブレットで以下のリンクを開くと、Google Playストアのアプリで「Google Play開発者サービス」の配布ページが表示される。
もし、その冒頭に[更新]ボタンが表示されていたら、それをタップすると、Google Play開発者サービスが最新版に更新される。
Google Play開発者サービスが最新かどうか確認するには
上記の画面で[更新]ボタンが表示されない場合は、インストールされているバージョンより新しいバージョン(最新版)のGoogle Play開発者サービスが配布されていないか、それぞれのバージョンを確認してみよう。
●Google Playストアで配布されている開発者サービスのバージョンを確認する
配布されている開発者サービスのバージョンを確認するには、Google Playストアで前述のGoogle Play開発者サービスの配布ページを開き、[このアプリについて]をタップし、「詳細」[アプリケーションソフトウェア]といった見出しの下方にある「バージョン」欄を確認する。
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